<概要>
●地方財政対策には「地方回帰支援の推進」など地方向け政策が充実
●まち・ひと・しごと創生事業費1兆円、地域社会再生事業費4200億円
●コロナ禍で財政が厳しい自治体へ資金繰り対策
●経営・財務マネジメント強化事業で自治体にアドバイザー派遣
●田舎暮らしサロン、財政非常事態宣言など自治体の取り組み
<チェックポイント>
●「まち・ひと・しごと創生事業費」の算定額と使途
●地方社会再生事業費の算定額と使途
●条件不利地域と地域おこし協力隊
<掲載事例>
●福岡県
●福岡県上毛町、東京都日野市
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地方財政対策には地方向け政策も多数
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●「まち・ひと・しごと創生事業費」は引き続き1兆円
・2021年の地方財政対策には、他にも地方自治体向けの重点政策が数多く記載されている。
・2015年度から実施の「まち・ひと・しごと創生事業費」予算は引き続き1兆円を計上。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000724573.pdf
(5ページ)
・もともと、地方創生関係交付金の自治体負担(事業費の半額)とは別の事業を想定。
・ただし、地方交付税交付金の計算式の一つであり一般財源であるため、意識的に予算計上しないと地方創生関係に使用されない。
https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2015pdf/20151201018.pdf
(28、29ページ)
●「地方社会再生事業費」4200億円で幅広い施策を展開
・2020年度から実施の「地方社会再生事業費」は東京などの財政が豊かな自治体の法人税からの「吸い上げ」分を使用。
・上記と同じく一般財源の計算式に含まれているため、2020年度の予算措置状況などの確認が重要。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000660553.pdf
(8ページ)
・地方社会再生事業費は、本来は医療提供体制の確保や集落維持対策など、地域の実情に応じた幅広い施策の展開を期待。
https://www5.cao.go.jp/keizai1/koyoukaigou/20200702/20200702siryo3-2.pdf
(5ページ)
●条件不利地域で「地域おこし協力隊インターン」
・2024年に地域おこし協力隊の隊員数を8000人とする目標に向け、「地域おこし協力隊インターン」を創設。
・三大都市圏以外のすべての市町村、三大都市圏内の条件不利地域が対象。
・その他にも地域プロジェクトマネージャー創設などの地方回帰支援の推進策が列挙されている。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000724573.pdf
(13ページ)
・条件不利地域の定義は総務省HPに一部掲載されているが、各自治体に適用されるか確認が重要。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/tiiki.html
・条件不利地域に対しては、簡易水道事業分や「光ファイバ等整備特別分」に対しても支援が行われている。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000724573.pdf
(14ページ)
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低金利の資金融資やアドバイザー派遣事業
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●コロナ禍で財政が厳しい自治体へ資金繰り対策
・埼玉県新座市が新型コロナによる税収等の大幅な減収に対して、財政非常事態宣言を行った。
https://www.city.niiza.lg.jp/soshiki/8/hijyoujitaisengen.html
・他の県内自治体でも厳しい財政状況であることから、埼玉県市長会では10月19日知事に財政支援を要請。
・各自治体でも税収減などで同様の事態が発生していくことが予測される。
https://www.sankei.com/region/news/201020/rgn2010200012-n1.html
●地方交付税が不足して地方債の発行を増加
・国は地方交付税における一般財源総額を前年度並みに確保したが、臨時財政対策債や減収補てん債が増発となった。
・金利の低い公的資金で地方債発行が担保できるように「財政投融資」「地方公共団体金融機構資金」を確保。
・一般財源を増やす特別減収対策債、公営企業における「特別減収対策企業債」も発行を引き続き可能にした。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000724573.pdf
(15ページ)
https://policy-making.com/db/5963/
●経営・財務マネジメント強化事業で自治体にアドバイザー派遣
・人口減少、インフラ資産の大規模な更新時期を迎える中、持続的な財政運営と自治体経営が必要。
・自治体にノウハウが不足することから、500自治体へのアドバイザー派遣事業を創設。
・地方公共団体金融機構との共同事業で「公共施設等総合管理計画の見直し」などのテーマでアドバイザーを派遣。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000724573.pdf
(16ページ)
・総務省の審議会は昨年12月に「今後目指すべき地方財政の姿」で新型コロナへの対応や健全な財政に向けて提言。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000722561.pdf
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei02_02000271.html
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田舎暮らしサロン、財政非常事態宣言など自治体の取り組み
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●移住希望者を地域おこし協力隊として活用(福岡県上毛町)
・上毛町は、東日本大震災をきっかけに移住を決意した若者を「地域おこし協力隊」として活用。
・「古民家の田舎暮らし研究交流サロン」をつくり、お試し居住などで移住者を支援。
・福岡県では福岡県移住・定住ポータルサイトでこうした人物や事例を紹介。
https://ijuu-teijuu.pref.fukuoka.lg.jp/interviews/vol_17.html
・その後も若者は協力隊OBとして起業、全国の地域おこし協力隊に対して様々な活動支援を実施。
・総務省の「第6回地域おこし協力隊全国サミット」でも報告。
https://chiikiokoshitai.jp/report/6th_tokyo/
●「財政非常事態宣言」を行い、HPにも経緯を説明(東京都日野市)
・日野市は、1998年度に財政非常事態宣言、市民とともに2005年に「財政白書」を作成、2008年にも財政非常事態宣言。
https://www.soumu.go.jp/iken/shinpoji_07/pdf/sympo_aomori_3.pdf
・2020年はその時点よりも財源不足額も増加し、厳しい財政状況であるとして三度目の財政非常事態宣言を実施。
・財政再建計画の策定・推進や市民への協力を呼びかけた。
http://www.city.hino.lg.jp/shisei/gyozaisei/zaisei/1013565.html
・新型コロナウイルスの影響と2021年度予算編成の考え方もYouTubeで発信。
https://www.youtube.com/watch?v=sbYgkTMil-s
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チェックポイント詳細
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●「まち・ひと・しごと創生事業費」の算定額と使途
・2015年以降の「まち・ひと・しごと創生事業費」の地方交付税算定額は。
・「まち・ひと・しごと創生事業費」の使途や、算定額との差は。
●地方社会再生事業費の算定額と使途
・2020年度の「地方社会再生事業費」の地方交付税算定額は。
・「地方社会再生事業費」の使途や、算定額との差は。
●条件不利地域と地域おこし協力隊
・三大都市圏外、あるいは三大都市圏内の条件不利地域に該当するか
・地域おこし協力隊の受け入れ実績はあるか。
・「旧簡易水道」部門は存在するか。
・光ファイバ等の整備に関する事業計画は存在するか。
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さらなる調査のためのリンク集
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【予算】2021年度地方財政対策(1)コロナ禍で大幅減収、臨時財政対策債の増発(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6031/
【予算】2021年地方財政対策(2)地域のデジタル化推進が2021年度の重点課題(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6033/
【予算】2021年地方財政対策(3)コロナ対応で保健師充実、災害対策も強化(国政情報)
https://policy-making.com/db/6035/
【人口減】都会から地方へ!若者の移住を促す国と地方の支援策(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5293/
【財政】コロナ禍で厳しい2021年度予算編成、財政計画や補正予算など12月議会の論点(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5971/