<概要>
●区市レベルでは8割以上の自治体が行政評価を実施
●適切な指標の設定や評価後の有効活用が課題
●関連する組織間の密接な連携が重要
●国の評価におけるテーマ決定から勧告・フォローアップまで
●全国初の行政評価条例など自治体の取組
<チェックポイント>
●行政評価の実施状況
●行政評価の有効活用
●行政評価の課題に対する対応
<掲載事例>
●青森県、宮城県
●熊本県大津町
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多くの自治体で実施されている行政評価
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●区市レベルでは8割以上の自治体が行政評価を実施
・2017年に「地方公共団体における行政評価の取組状況等に関する調査結果」が公表。
・行政評価は都道府県及び特例市以上の市ではほぼ全団体、その他の市区でも8割以上の団体で導入されているが、町村では全体の4割でとどまっている。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000501750.pdf
(1ページ)
・総務省は各都道府県の政策評価等に関する情報へのリンクを公表。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/seisaku_n/seisaku_chihou.html
・青森県ではマネジメントサイクルを展開し、「アウトルックレポート2022」を策定している。上記リンクで自治体ごとの取り組みの違いが明確化。
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kikaku/kikaku/seisaku_hyoka.html
●適切な指標の設定や評価後の有効活用が課題
・総務省の委託を受け、2017年に「地方公共団体への評価手法等の情報提供等の支援に関する調査研究報告書」がまとめられた。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000536797.pdf
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/seisaku_n/chousakenkyu.html
・各自治体へのヒヤリングなどを通して、PDCAのC(チェック)については、職員の負担感が増していることが指摘される。
(11~12ページ)
・また、A(アクション)については「評価結果を活用に繋げる制度の未整備」などがあげられる。(18ページ)
・これらに対して報告書では、「適切な指標の分類・設定」や「評価結果の予算への反映」が提案されている。
(28、30ページ)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000536797.pdf
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関連組織間の密接な連携の事例としての国の手法
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●関連する組織間の密接な連携が重要
・報告書では規模の大きな自治体ほど関連組織間の密接な連携が課題となることが指摘された。
・企画担当部門・評価担当部門・財政担当部門などが、同一の理解・認識のもとで、それぞれの組織が所管する制度を密接な連携させる必要がある。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000536797.pdf
(31ページ)
・国レベルでは総務省行政評価局が、複数府省にまたがる政策などを調査する仕組みが存在。有識者からも意見をもらい、改善方策を提示することも行う。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/hyouka_kansi_n/index.html
●国の評価におけるテーマ決定から勧告・フォローアップまで
・国の行政評価では、行政評価等の基本理念及び取組方針(調査テーマの選定方針含む)について、「令和4年度行政評価等プログラム」を定める。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/kyotsu_n/gyouseihyouka_pg.html
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/hyouka_kansi_n/keikaku.html
・テーマは「外国人の日本語教育に関する実態調査-地域における日本語教育を中心として-」「生活困窮者の自立支援対策に関する行政評価・監視」など多方面にわたる。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/hyouka_kansi_n/ketsuka_nendo/R04.html
・2023年3月27日には放課後児童クラブの安全対策に関する調査を行い、改善意見の通知への改善措置状況(フォローアップ)も行ったことを発表。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_230327000164338.html
・愛知県、名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市、春日井市、豊川市、各市に所在する放課後児童クラブの安全対策について調査。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000799078.pdf
・厚生労働省が自治体に「放課後児童クラブに対し、災害発生時や事故・ケガ発生時等の対応マニュアルの作成の重要性について改めて周知」と通知していることを確認し、その実態を調査した。
・マニュアルの整備などが遅れていたが、厚生労働省の改善措置後はチェックリスト配布などの対策が講じられていることが調査で確認。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000870817.pdf
(1ページ)
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全国初の行政評価条例など自治体の取組
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●全国自治体初の行政評価条例をもとに体系的な行政評価を実施(宮城県)
・宮城県では2001年に全国初の条例「行政活動の評価に関する条例」を制定し、行政評価に関する手続きを条例によって定めた。
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/seisaku/sikumi-keii.html
・政策評価・施策評価/大規模事業評価/公共事業再評価/事業箇所評価と4つの分野につき、手続きを経て公表。
・県民満足度の把握や評価項目の策定、行政評価委員会の意見聴取、県民の意見聴取などを順次実施する仕組みとなっている。
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/seisaku/sikumi-tetuduki.html
●町レベルで総合計画をもとに外部委員による事業評価を実施(熊本県大津町)
・熊本県大津町では、2011年開始の第5次大津町振興総合計画後期基本計画の際に、基本事務事業ごとに具体的な数値目標を設定し、評価を実施。
・評価結果に基づく改善・見直しを有効なものとするために、大津町振興総合計画等評価委員会による外部評価を実施。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000536798.pdf
(34、35ページ)
・評価委員の実施した2019年度の施策評価資料では、施策評価をA~Dに分類し、C・Dは見直しを勧告。
・施策シートに沿って各分野ごとに事業費とA~Dの評価一覧表も示した。
https://www.town.ozu.kumamoto.jp/kiji0035459/3_5459_11131_up_3rmow3i3.pdf
(2、5ページ)
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チェックポイント詳細
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●行政評価の実施状況
・行政評価を条例に基づいて実施しているか。
・どのような項目をチェックしているか
・結果をどのように公開しているか。
・外部委員による評価は実施しているか。
●行政評価の有効活用
・行政評価はどのように活用されているか。
・新年度予算への反映、決算時の参照はされているか。
●行政評価の課題に対する対応
・マンネリ化や職員の疲弊をまねいていないか。
・組織の垣根を越えた評価は実施されているか。
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さらなる調査のためのリンク集
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【予算】予算編成に議会・市民の意見を反映させる工夫(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5162/
【議会】9月決算のヒント(1)決算審査の目的と翌年度予算への活かし方(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6411/
【建設】連続立体交差事業など大型公共事業をB/C(費用便益費)で検証(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6712/