【福祉】コロナ禍で食生活に影響!子育て家庭や学生など困窮者への食料支援(政策アイディア)

<概要>

●新型コロナの影響で、特に若い世代の食生活に変化

●ひとり親家庭の困窮が深刻化、NPOが食料支援呼び掛け

●フードバンク団体による学生対象の食料支援

●農水省は政府備蓄米を子ども食堂等に無償交付

●ふるさと納税や子ども食堂を活用した自治体の取り組み

<チェックポイント>

●コロナ禍が食生活に与えた影響

●困窮世帯への食糧支援

<掲載事例>

●兵庫県神戸市、大阪府大阪市

●東京都品川区

●セカンドハーベスト・ジャパン、BE KOBE ミライ PROJECT、NPOグッドネーバーズ・ジャパン、一般社団法人北長瀬エリアマネジメント

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食生活へのコロナの影響を調査
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●新型コロナの影響で、特に若い世代の食生活に変化

・農水省は食育に対する国民の意識を把握するために、2020年12月に「食育に関する意識調査」を実施。

・コロナ前と比べた食生活の変化で増えたのは、自宅で食事を食べる回数35.5%が最も高く、次いで自宅で料理を作る回数26.5%など。

・20〜30歳代では、「自宅で食事を食べる回数が増えた」という回答が54.4%に上った。

https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/hyoji/210331.html

●コロナ禍の食生活、ひとり親世帯へ深刻な影響

・神戸市は、長引くコロナ禍による食生活への影響を調べるためにアンケートを実施。

・「コロナ前より悪くなった」は一般の子育て世帯で1割以下だったが、ひとり親世帯では3割に上った。

・1日の食事回数や1回の食事の量を減らした割合もひとり親世帯は高く、家計への影響が深刻。

・「ひとり親世帯の窮状がうかがえ、子どもの成長への影響も懸念される。継続的な調査や支援に取り組みたい」と担当者コメント。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202105/0014371015.shtml

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NPOなど各種団体による食糧支援
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●ひとり親家庭の困窮深刻化、NPO食料支援呼び掛け

・減収でひとり親家庭の困窮が深刻化、家計をやりくりするため、親だけでなく子どもの昼食を抜くケースも。

・NPOグッドネーバーズ・ジャパンがひとり親を対象にしたアンケート調査では、大阪で約4割、東京で約3割が「親の食事量が減少した」と回答。

・同NPOは2017年から、東京都などでひとり親家庭に月1回の食材配布を開始。

・大阪府内でも配布を始めたが、2020年8月に431世帯だった支援先が、同12月は817世帯に急増した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020300190&g=soc

●NPOなどが協働、食品の定期的配送と見守りの実証実験

・「神戸こども宅食プロジェクト」は、ひとり親など生活が大変な子育て家庭を支援し、定期的に食品を届ける取り組み。

・市内の児童扶養手当受給のひとり親家庭等100世帯を募集、食品の定期的な配送とゆるやかな見守りを通じ様々な支援につなげる。

・実証実験によって実際のニーズや効果等を検証し、「こども宅食」の運動を広めていくための基盤を作る。

https://bekobemirai.jp/news/20210127/

https://bekobemirai.jp/kobe_kodomotakusyoku/

●フードバンク団体による学生対象の食料支援

・フードバンク団体「セカンドハーベスト・ジャパン」は、コロナ禍で経済的な影響を受けた学生を対象に食品提供を開始。

・東京都台東区、新宿区、足立区、府中市、神奈川県大和市、埼玉県志木市のフードパントリーを受取場所とする。

・学生証など本人確認ができるもを持参すれば受け取れる仕組みで、基本は事前申し込み・予約制となっている。

https://2hj.org/news_press/3018.html

●誰でも使える「みんなの公共冷蔵庫」による食糧支援

・岡山市の複合商業施設内に、食料品や日用品を24時間いつでも取り出せる「コミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)」を設置。

・個人や企業から無償で提供されたカップ麺やレトルト食品、トイレットペーパーなどが並ぶ。

・利用者は会員登録後、専用のアプリで鍵を開けて中に入り、必要な品物を持ち帰る仕組み。

・市内の(一社)北長瀬エリアマネジメントが主催、ネット上の支援プログラムを通じて受け付け、メールで会員に情報を配信。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020700244&g=soc

https://communityfridge.jp

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動き出す、政府・自治体による食料支援
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●農水省は政府備蓄米を子ども食堂等に無償交付

・学校給食の補完機能を果たす「子ども食堂等」に加え、コロナ禍で子育て家庭に食材を届ける「子ども宅食」の取組が拡大。

・農水省は、ごはん食を提供する子ども食堂等の取組に政府備蓄米を無償交付。

・食材提供を希望する子育て家庭に直接、政府備蓄米と他の食材を併せて配付する団体(食材提供団体)にも交付。

https://www.maff.go.jp/chushi/kome_syoukaku/attach/pdf/musyo-teikyo-3.pdf

●ふるさと納税を活用した子どもの食の支援事業(東京都品川区)

・品川区は2019年9月、ふるさと納税を活用した「ガバメントクラウドファンディング」で、子どもの食の支援プロジェクトを開始。

・集めた寄附金で、子ども食堂の継続支援や空白地域の解消、ひとり親家庭(所得制限などあり)への食品配送を実施。

https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-kateisoudan/kodomonosyokunosien/index.html

https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/contentshozon2019/kodomosyokushien.pdf

●こども支援事業ネットワーク(大阪府大阪市)

・こどもの居場所を開設して食事提供や学習支援等を行う団体を、企業や社会福祉施設が支援する「こども支援ネットワーク」を構築。

・コロナ禍において、こども食堂等の「新しい生活様式」に沿った活動に必要な物資を届ける。

・大阪市が主体となり、企業等からの物資を市内の社会福祉施設に保管、地域のこどもの居場所活動団体が引き取るスキームを構築。

https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000453511.html

●子育て世帯への食を通じたつながり支援事業(兵庫県神戸市)

・神戸市は食品等の提供を通じて、つながりの希薄な子育て世帯を地域や行政等につなげる民間団体の取り組みを支援。

・新型コロナウイルス感染症の影響で生活が厳しい状況になるなど、支援につながっていない子育て世帯を対象。

・事業実施にあたり、食品拠点業務委託事業者及び食支援団体を募集。

https://www.city.kobe.lg.jp/a57667/kosodate/shien/syokushien.html

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チェックポイント詳細
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●コロナ禍が食生活に与えた影響

・県民、市民の食生活を調査したアンケートを実施したことはあるか。

・食費を切り詰めているなど、コロナの影響を把握しているか。

●困窮世帯への食料支援

・ひとり親世帯や学生などに食料支援等を行っている団体はあるか。

・食料支援団体への資金面での援助などを行う予定はあるか。

・自治体独自で困窮世帯に対して食料支援を行なってはどうか。

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さらなる調査のためのリンク集
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・令和2年度「市民の食育に関するアンケート調査」結果 速報(神戸市)
https://www.city.kobe.lg.jp/documents/41971/r2-2shiryou2.pdf

【福祉】食材・場所・資金、子ども食堂を支援する企業と自治体(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5324/

【福祉】コロナ禍の緊急生活支援!生理用品、日用品などを自治体が配布(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6316/

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