<概要>
●全国の子ども食堂は2019年時点で3,700カ所、年間利用者数は延べ160万人
●内閣府と厚生労働省も子ども食堂の側面支援を始めている
●企業はフードロス対策で余った食材を提供
●住民が余った食品を持ち寄る「フードドライブ」と「フードバンク」
●学校や保育所で子ども食堂を開催する事例も
●自治体は補助金やふるさと納税など寄付を集める仕組みで支援
●マッチングやコーディネートなど総合的な支援も重要
<チェックポイント>
●子ども食堂の現状
●食材の確保
●場所の確保
●運営費の支援
<掲載事例>
●群馬県、大分県、埼玉県、高知県、山口県、滋賀県
●兵庫県神戸市、宮城県仙台市、福岡県北九州市
●東京都板橋区、東京都世田谷区、東京都文京区、佐賀県みやき町
●民間企業その他機関
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昨年比1.6倍、全国に広がる子ども食堂
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・2019年6月時点で子ども食堂は昨年から1.6倍に増えて3,700カ所、年間利用者数は延べ160万人。
・小学校6校につき1つの割合で存在するが、都道府県ごとにばらつきがあり、秋田・青森・長崎が少ない。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46629900X20C19A6CR0000/
・子ども食堂の認知度は82%で昨年から1割上昇したが、「運営に関わってみたい」と回答した人の割合は減った。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000464.000001551.html
・開催頻度は月に1度が48%、2週間に1回が24%で、参加費は子ども無料が52%、有料の場合の参加費は平均134円。
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/syukeikekka.pdf
(7〜11ページ)
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内閣府と厚生労働省も子ども食堂を側面支援
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・内閣府は「地域子どもの未来応援交付金」を2015年から補正予算で実施、2018年からは当初予算化。
・子供の貧困対策に取り組む地方自治体による、地域における実態調査とネットワークの形成を支援。
https://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/torikumi/koufukin/pdf/jirei_katsuyo.pdf
・厚生労働省も通知で、子ども食堂の情報が困難を抱える子どもたちに行き届くよう、行政に協力を要請。
https://www.mhlw.go.jp/content/000306888.pdf
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余った食材と子ども食堂を結びつける工夫
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●企業がフードロス対策で食材を提供
・閉店時に残った商品や、パッケージ変更で販売できなくなった商品などを、企業が子ども食堂に提供する例が増えている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020011000985&g=eco
・JA直売所で売れ残った野菜などを子ども食堂に無償で提供するモデル事業を神戸市が開始。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201909/0012701105.shtml
・群馬県は企業と子ども食堂の橋渡し事業を始め、2019年度だけで18事業者が延べ47団体へ食品の提供を決めた。
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/187323
●住民が余った食品を持ち寄る「フードドライブ」と「フードバンク」
・神戸市は、家庭で余っている食品を持ち寄る「フードドライブ」を、市内全区で毎月定例実施。
・大分県は行政職員にフードドライブを呼びかけ、フードバンクを通じて食品を子ども食堂に寄付。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20200122/5070005682.html
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場所の問題を解決する様々な工夫
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・埼玉県熊谷市のNPOが、キッチンカーを市民活動支援センターに駐車して、移動式子ども食堂を実施。
https://kumagaya.keizai.biz/headline/662/
・東京都板橋区では、学校と保護者・住民によるコミュニティ・スクール推進委員会が、中学校で子ども食堂をオープン。
「子ども食堂の情報が子ども達に届かない」「子どもが偏見を恐れて通いにくい」といった問題を解消。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201912/CK2019120602000119.html
・東京都世田谷区では、教室でボランティアが運営する「夜の勉強会」に子ども食堂を併設。
https://www.news-postseven.com/archives/20190302_877732.html
・仙台市のNPOは保育園で子ども食堂を実施、子どもが遊べるスペースと調理場がある利点を活かす。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000028029.html
・東京都文京区では、食品を配達しながら見守りや相談につなげる「子ども宅食」を企業やNPOと連携して実施。
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補助金や寄付で子ども食堂の運営費を確保
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・仙台市は事業費の4/5、最大で年間30万円を子ども食堂に助成。
https://www.city.sendai.jp/kate/kisya/h31bosyu.html
・佐賀県みやき町は、町内の飲食店で高校生以下の子ども達がいつでも無料で食事をすることができるサービスを開始。
全国どこからでもスマホアプリで寄付をすれば、その分だけ子ども達に食事が提供される仕組み。
https://www.data-max.co.jp/article/33478
・埼玉県と県社協とコカ・コーラ社は、自販機の売り上げの一部を「こども食堂応援基金」に寄付する協定を結んだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54666520R20C20A1L72000/
・ふるさと納税を返礼品ではなく、子ども食堂や子ども宅食に寄付する「ガバメント・クラウドファンディング」。
https://www.furusato-tax.jp/gcf/lp/2018_gcf_child_poverty
・西日本シティ銀行は、発行額の0.2%を子ども食堂のために寄付する「子ども食堂応援私募債」の取り扱いを開始。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/553248/
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マッチングやネットワークなど総合的な支援策
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・北九州市は、食材や場所の提供、ボランティア派遣などに意欲を示す企業・団体と協定を結び、
子ども食堂の運営者と結びつける全国初のマッチング事業に取り組む。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/552588/
・高知県は「地域子どもの未来応援交付金」を活用して、コーディネーターが子ども食堂の立ち上げを支援。
子どもの居場所づくりネットワーク会議を開催して、運営や食材、学校との連携など情報を共有している。
https://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/shien/pdf/about.pdf
(4ページ)
・山口県は子ども食堂登録制度を立ち上げ、認知度アップと共に会場の使用許可や減免措置を受けやすくする。
https://ubenippo.co.jp/2019/12/13/84776
・滋賀県警は子ども食堂の運営に関わることで、虐待や非行の早期発見につなげる。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/123184
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まずは行政と学校が協力姿勢を示すこと
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・運営者の課題ベスト3は「来て欲しい家庭の子に来てもらうことが難しい」「運営費の確保」「スタッフの負担」
・「学校や教育委員会、行政の協力が得られない」という声も多い。
・立ち上げ時に感じた課題ベスト3は「資金不足」「学校・教育委員会の協力が得られない」「行政の協力が得られない」
・まずは行政が協力姿勢を示して、学校を通じて支援の必要な家庭に子ども食堂の情報を届けることが第一歩。
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/syukeikekka.pdf
(39、51ページ)
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チェックポイント詳細
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●子ども食堂の現状
・自治体内に子ども食堂は何カ所あるか。
・子ども食堂の運営主体や開催頻度などを把握しているか。
・子ども食堂と行政の連絡会議・ネットワーク会議のようなものはあるか。
●食材の確保
・食品を提供できる企業と子ども食堂を結びつける支援を行なってはどうか。
・フードドライブ、フードバンクなど、家庭で余った食品を集める活動は行なっているか。
●場所の確保
・学校を子ども食堂に使うことは検討できないか。
・保育所その他の公共施設を子ども食堂に使えないか。
●運営費の支援
・子ども食堂の立ち上げや運営に助成金を検討してはどうか。
・ガバメント・クラウドファンディングを活用して、子ども食堂に寄付を集められないか。
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さらなる調査のためのリンク集
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国及び地方公共団体による「子供の居場所づくり」を支援する施策調べ(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/shien/index.html
子ども食堂の課題と、連携による解決事例(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/14renkei.pdf
NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ
https://musubie.org
国内フードバンクの活動実態把握調査(流通経済研究所)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/161227_8-38.pdf