【子ども】子どもの権利を守る!条例制定や第三者機関など自治体の取り組み(事例研究)

<概要>

●国会で「こども家庭庁設置法案」の審議がスタート

●日本も批准している世界的な「子どもの権利条約」

●ユニセフは「子どもの権利条約」を教育現場で普及

●子どもの権利を擁護する自治体の条例

●子どもの権利を守る第三者委員会など自治体の取り組み

<チェックポイント>

●いじめ、体罰など子どもの権利が侵害された事例

●子どもの権利侵害への対応

●第三者委員会や教職員研修など自治体の取り組み

<掲載事例>

●三重県

●愛知県豊田市、東京都世田谷区、群馬県安中市、兵庫県川西市

●公益財団法人 日本ユニセフ協会

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国会で「こども家庭庁設置法案」の審議がスタート
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・2022年4月19日、衆議院で「こども家庭庁設置法案」が審議入り。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220419/k10013589241000.html

・こども家庭庁には、厚生労働省の児童虐待防止と内閣府の少子化対策を移管し、文部科学省への勧告権も付与される。

・日本が1994年に批准した「国連子どもの権利条約」などの精神にのっとり、自民党・公明党と立憲民主党がそれぞれ議員立法を提出。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/169256

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子どもの権利条約とその普及
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●日本も批准している世界的な「子どもの権利条約」

・「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」は、1989年の国際連合総会で採択、日本は1994年4月に批准。

https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/jidou/main4_a9.htm

・子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約であり、18歳未満の児童(子ども)を権利をもつ主体と位置づける。

・子どもをひとりの人間として人権を認め、成長過程での特別な保護や配慮の必要といった育つ権利、守られる権利など子どもならではの権利も定めている。

https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig.html

・主体性や協働性を育む「子どもの権利」の伝え方は、日本国内では「権利条約」を批准しているにも係わらず、周知不十分な現状と指摘されている。

https://toyokeizai.net/articles/-/429389

●ユニセフは「子どもの権利条約」を教育現場で普及

・公益財団法人 日本ユニセフ協会は、「子どもの権利」を大切にする教育(Child Rights Education: CRE)を日本の教育現場で推進。

・『ユニセフCREハンドブック 「子どもの権利条約」を学級経営に生かそう~子どもと先生でつくる みんなが尊重される学校・園~』を発行。

https://www.sentankyo.jp/articles/2d80803c-9aaa-4eda-a914-cca055fd6e60

・群馬県安中市では、ユニセフが作成しているカードブックで子どもの権利条約を学ぶ仕組みをつくる。

https://www.city.annaka.lg.jp › files › crc_cardbook

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子どもの権利を擁護する自治体の条例
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・愛知県豊田市は、子どもの権利を保障し、子どもが幸せに暮らすことのできるまちを実現するために「豊田市子ども条例」を制定。

https://www.city.toyota.aichi.jp/shisei/gyoseikeikaku/ikusei/1007534.html

・条例では子どもの権利の侵害に対する救済と回復を支援するために「豊田市子どもの権利擁護委員」を置き、「とよた子どもの権利相談室」を設置。

https://www.city.toyota.aichi.jp/shisetsu/sodan/1029292/index.html

・東京都世田谷区は「世田谷区子ども条例」を制定し、「子どもは未来への希望です」として保護者・事業者・区のそれぞれの役割を記載。

https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kodomo/010/d00145128.html

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第三者委員会や教職員研修など自治体の取り組み
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●1998年に日本で初めて子どもの権利を守る第三者機関を設置(兵庫県川西市)

・兵庫県川西市は、いじめ・差別・体罰・虐待などで苦しんでいる子どもたちを助けるために市の条例による公的第三者機関「子どもの人権オンブズパーソン」を設置。

・全国的に学校でのいじめが問題になった1990年代、市内の小・中学校に通う子どもたちに実施したアンケート調査結果から、1998年に条例を制定。

https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/kurashi/shimin/jinken/kdm_onbs/index.html

・オンブズパーソンは、身近にいる家族や学校の先生とは違う立場で、子どもの話をしっかり聞いて、子どもにとって一番よい解決方法を、子どもと一緒に考え、手助けする。

https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/kurashi/shimin/jinken/kdm_onbs/1001663.html

●採択20年の節目に、ステップアップ講座で「子どもの権利条約」を学ぶ(三重県)

・三重県は、人権学習教材「わたし  かがやく」を2005年度に発行して各学校で活用、さらなる活用のために連続講座を開催。

・三重県教育委員会は、子どもの人権に係わる県内の状況を分析し、教職員の「子どもの権利条約」に対する認識が高まっていないと反省。

・「子どもの権利条約」採択20年の節目2009年には、連続講座で「子どもの権利条約」についての教職員の学習指導のスキルアップを目指した。

https://www.pref.mie.lg.jp/DOKYOC/HP/47904021154.htm

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チェックポイント詳細
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●いじめ、体罰など子どもの権利が侵害された事例

・自治体内でいじめ、体罰などの子どもをめぐる事件が発生したことはあるか。

・対応、情報公開、当該児童や保護者らへの説明は十分だったか。

●子どもの権利侵害への対応

・子どもの権利侵害への相談窓口は存在するか。

・子どもの権利侵害が発生した場合の第三者委員会は存在するか。

・子どもの権利を守るための条例を検討してはどうか。

●「子どもの権利条約」に関しての周知方法

・「子どもの権利条約」についてどのような周知方法を行っているか。

・「子どもの権利条約」について授業などで学ぶ場は存在するか。

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さらなる調査のためのリンク集
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【子育て】児童虐待が過去最多!包括支援センターから児童相談所までトータルな支援体制を(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6332/

【教育】ついに教員のいじめも!増加するいじめ件数(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5091/

ユニセフの「子どもにやさしい学校事業」イギリスの実践に学ぶ(日本ユニセフ協会)
https://www.unicef.or.jp/kodomo/idea/pdf/case_2014_07.pdf

子どもの権利条約を活かした学級経営を(日本ユニセフ協会学校事業部)
https://www.unicef.or.jp/kodomo/osirase/2019/pdf/crc30-2019.pdf

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