【情報】遠隔教育・遠隔診療・テレワークはどこまで進むか?(社会・技術動向)

<概要>

●新型コロナ対策で、テレワークや遠隔教育・遠隔医療が急遽求められている

●政府は遠隔教育をしたいが出来ない自治体を、2023年度にゼロにする目標

●以前から遠隔教育に取り組んでいた学校は、一斉休校でも授業を提供

●オンライン診療や医療相談は解禁されているが、実施している医療機関は全体の1.2%

●2019年11月の医薬品医療機器法改正で、オンライン服薬指導も解禁

●東京都はコロナ対策で週4日の自宅勤務・テレワークを開始

<チェックポイント>

●遠隔教育に取り組む学校への支援

●解禁されたオンライン診療への対応

●解禁されたオンライン服薬指導への対応

●緊急時のテレワークに向けた準備

<掲載事例>

●兵庫県、東京都

●千葉県千葉市

●鹿児島県錦江町、富山県高岡市、鹿児島県徳之島町、栃木県宇都宮市

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新型コロナで急遽求められる遠隔対応
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・政府が基本方針を発表する1ヶ月前から、GMOインターネットなどIT企業が在宅勤務やテレワークを開始。

https://it.impressbm.co.jp/articles/-/19403

・2020年2月25日に政府が発表したコロナ対策基本方針では、
「電話による診療等で処方箋を発行するなど、医療機関を受診しなくてもよい体制」を要請。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/kihonhousin.pdf
(8ページ)

・2月27日には全国一斉休校が要請され、自宅でのオンライン学習が突然必要に。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020030401275&g=soc

・教育、医療、仕事・・・様々な分野で、遠隔対応が急遽求められている。

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遠隔教育をしたいが出来ない自治体を0%に
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・文部科学省は2018年9月に遠隔教育の推進に向けた施策方針を発表。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/__icsFiles/afieldfile/2018/11/21/1411291-9_1.pdf

・病気やけがで長期入院や自宅療養をしている小中学生が、遠隔教育を受けた場合は出席扱いに。

https://www.asahi.com/articles/ASL9G5DZ5L9GUTIL027.html

・遠隔教育を一部の学校で実施している自治体は、2019年3月時点で255あり、全体の14%

・一方で、遠隔教育をしたいが出来ない自治体が25%も存在し、政府は2023年度までに0%にする目標。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/jikkoukaigi_wg/kakusin_wg7/siryou1.pdf
(5ページ)

・全国の大学や研究機関を結ぶ超高速の学術ネットワーク「SINET・サイネット」も小中高の遠隔教育に解放。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43067990Z20C19A3CR0000/

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遠隔教育の実施事例
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・鹿児島県錦江町は、放課後学習に使っていたシステムで、休校中の小中学生にインターネット授業を開始。

https://www.mbc.co.jp/news/mbc_news.php?ibocd=2020030400040871

・多治見西高校付属中学校も、授業や宿題に使用していたアプリにテレビ電話を組み合わせて遠隔授業。

https://www.gifu-np.co.jp/news/20200304/20200304-220591.html

・富山県高岡市は論理的なコミュニケーションを学ぶ遠隔授業を全中学校と義務教育学校で実施。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200220-00000012-kitanihon-l16

・鹿児島県徳之島町は、近隣の学校をテレビ電話で結んで交流し、小規模校のデメリットを解消。

https://www.kknews.co.jp/post_ict/20190708_1a

・兵庫県は、長期入院の高校生が遠隔授業を受けられる支援策を2020年度予算に計上。

https://www.kobe-np.co.jp/news/kyouiku/202002/0013132976.shtml

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解禁されても進まない遠隔診療
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・厚生労働省は2015年に「遠隔診療は医師の診察を求める医師法20条に抵触しない」と通知し、遠隔診療を解禁。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000094452.pdf

・その後も、「医師法20条違反ではない例」や解釈が積み上げられてきた。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000193828_1.pdf
(4ページ)

・厚生労働省は2018年3月、オンライン診療の適用対象や最低限遵守すべき事項などを定めた指針を公表。

https://www.mhlw.go.jp/content/000534254.pdf

・しかし、オンライン診療やオンライン医療相談を行っている医療機関は全体のわずか1.2%

https://diamond.jp/articles/-/229207

・兵庫県は、治療後に経過観察が必要な遠方の患者を支援するため、こども病院で遠隔診療の体制を整える。

https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/202002/0013128330.shtml

・LINEヘルスケアは2020年2月のオンライン健康相談件数が前月比40倍、半数以上がコロナ相談。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002072.000001594.html

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コロナ対策で急がれるオンライン服薬指導
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・スマホなどを使ったオンライン服薬指導を解禁する、改正医薬品医療機器法が2019年11月27日に成立。

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/26635.html

・特区の準備をしていた千葉市では、日本調剤が都市部で初めてのテレビ電話による服薬指導を開始。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53845940W9A221C1H52A00/

・2020年度の診療報酬改定では、遠隔連携診療やオンライン服薬指導に保険点数が新設される。

https://medit.tech/mhlw-2020-online-price-determined/

・厚生労働省は、新型コロナ患者が増加した際の、電話やIT機器を用いた診療や処方箋の取扱いを通知。

https://www.mhlw.go.jp/content/000602426.pdf

・コロナウィルスが蔓延すれば、各医療機関や薬局で対応が求められることになる。

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自治体にも求められるテレワーク
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・東京都は、新型コロナ対策で職員が週4回を目安に自宅などで仕事をするテレワークに取り組んでいる。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200305/k10012314771000.html

・宇都宮市も公共交通機関で通勤する職員の時差出勤とテレワークを開始。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200304-00000547-san-hlth

・厚生労働省は3月3日、中小企業のテレワーク導入にかかる費用の助成対象を追加募集すると発表。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56320450T00C20A3EE8000/

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チェックポイント詳細
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●遠隔教育に取り組む学校への支援

・休校中の児童生徒に、インターネットを使った対応をしているか。

・自治体内に、これまで遠隔教育に取り組んだ学校はあるか。

・遠隔教育に取り組みたいが出来ない学校に対して、どのように支援するか。

●解禁されたオンライン診療への対応

・公立病院に通いにくい患者のために、オンライン診療を検討してはどうか。

・スマホ等を使ったオンライン医療相談をどう活用するか。

●解禁されたオンライン服薬指導への対応

・自治体内でオンライン服薬指導を準備している薬局はあるか。

・コロナ蔓延に向けて、各薬局がオンライン服薬指導に対応できるよう、どう支援するか。

●緊急時のテレワークに向けた準備

・コロナ蔓延に向けて、テレワークの準備をしているか。

・自治体のBCP(業務継続計画)で、テレワークについて定めているか。

・中小の事業者がテレワークに対応できるよう、行政としてどのように支援するか。

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さらなる調査のためのリンク集
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【随時更新】新型コロナウイルス休校中の学習支援サービスまとめ(Impress Watch)
https://www.watch.impress.co.jp/kodomo_it/news/1237947.html

遠隔教育の推進に向けた施策方針(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/14/1409323_1_1.pdf

オンライン診療に関するホームページ(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/index_00010.html

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