<概要>
●2023年度は名目2.1%程度の国内総生産の成長を見込む
●2022年度国の補正予算でも税収は3兆円増と好調
●消費税や都市計画税など目的税の使途
●入湯税も目的に沿った使途の明確化を求める
●都税収入見える化ダッシュボードなど自治体の工夫
<チェックポイント>
●自治体税収の見通しと内訳
●施政方針演説における世界と日本の景気見通し
●2022年度補正予算の中身
●目的税の使途の公開
<掲載事例>
●東京都
●群馬県安中市、神奈川県箱根町
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2023年は3年連続で実質経済成長の伸びを見込む
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●2023年度は名目2.1%程度の国内総生産の成長を見込む
・2023年1月23日に総務省は「令和5年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等(以下「留意事項」)を発表。
・例年「地方財政対策(計画)」と並び自治体予算の論点を自治体・議会へ示す貴重な資料。
・国の予算・地方財政対策の2つのトピックを解説し、
予算編成上の留意事項(8~34ページ)
通常収支分の歳入歳出(34~43ページ)
東日本大震災分の歳入歳出(43~45ページ)
地方公営企業(45~48ページ)
などトピックごとに参考となる視点を紹介。
・景気動向は公的支出による経済下支えの下、消費の回復や堅調な設備投資に牽引され、2023年度の国内総生産の成長率は名目2.1%%、実質1.5%と見込む。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000857479.pdf
(3ページ)
●2022年度国の補正予算でも税収は3兆円増と好調
・国内総生産は2021年度は名目成長率2.5%と前年度マイナス3.5%に比べてV字回復。2022年度見込みは1.8%、2023年度の見通しが2.1%とされる。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000857479.pdf
(59ページ相当、ページ表記(10))
・2023年度はあくまで「見通し」であるため不確定だが、2022年度の見込みは2022年度国の補正予算を見ても堅実な予想。
・2022年度国の補正予算によると、税収は前年度に続き補正段階で税収3兆円あまりの追加と好調。
https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2022/hosei221108c.pdf
(2ページ 歳入の追加額 (1)租税及印紙収入)
・好調な税収の一方で、生活福祉資金の特例貸付制度の貸付総額は1兆3699億円にのぼり、コロナ禍における市民の生活苦が浮き彫りになっている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/169984
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目的税について使途の明示を求める
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●消費税や都市計画税など目的税の使途
・留意事項の中で税収の使われ方にも言及。特に目的税である消費税、都市計画税に関しては「使途の明確化」などを示唆。
・留意事項では、地方消費税(引き上げ分)について社会保障財源の目的が設定されているため、予算書の説明資料で使途を明示するように求めている。
・他に、都市計画税の目的を踏まえて、対象事業・充当範囲の見直し・税率の見直し等の適切な対応をすることを求める。
・また、都市計画税を都市計画事業費に充当していることを明確にするように求めている。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000857479.pdf
(33、34ページ)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000271983.pdf
・それぞれの自治体はHPや予算書資料などで、消費税引き上げ分と都市計画税の充当事業を明確化している。
http://www.city.shirakawa.fukushima.jp/page/page005091.html
https://www.city.mitsuke.niigata.jp/15819.htm
●入湯税も目的に沿った使途の明確化を求める
・入湯税は環境衛生施設、鉱泉源の保護管理施設及び消防活動施設、観光の振興に要する費用に充てる目的税。
・1人1日150円を標準とし、鉱泉浴場所在の市町村が徴収可能。旅館等が入湯者から入湯税を徴収し、市町村に納入する仕組み。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_20.html
・留意事項は、入湯税の税徴収の目的にかなうように使途の明示を求めている。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000857479.pdf
(34、35ページ)
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都税収入見える化ダッシュボードなど自治体の工夫
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● 視覚的に分かりやすい都税収入見える化ダッシュボード(東京都)
・東京都は2021年6月に、都税の統計情報を分かりやすく伝えるため、都税収入の主要なデータを可視化する「都税収入見える化ダッシュボード」を公開。
・東京都主税局が公開してきた約30年間の統計データを、職員が視覚化してわかりやすくまとめたもの。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/06/16/08.html
https://note.com/kouzoukaikaku/n/nf40c253d00d9
■入湯税の使い途を一人あたり換算で示すなど明確化(群馬県安中市、神奈川県箱根町)
・群馬県安中市では「観光施設の公衆便所の管理」「温泉源の保護管理」「観光ポスター・パンフレット・諸施設の管理等」に615万円の入湯税を活用。
・1人あたりの150円に換算した額も示す。
https://www.city.annaka.lg.jp/zei_hoken_nenkin/zeikin_zeimu/files/nyuutouzeisitoR03.pdf
https://www.city.annaka.lg.jp/zei_hoken_nenkin/zeikin_zeimu/2014-1208-1435-21.html
・全国有数の入湯税収がある神奈川県箱根町は、2022年度で5億6410万円の使途をHPなどで明確にする。
・観光関連事業などの対象事業の66.9%が入湯税で充当と報告。
http://www.town.hakone.kanagawa.jp/index.cfm/6,496,15,111,html
https://www.spa.or.jp/onsen_wp/wp-content/uploads/2020/03/nyuutouzei_best30_2018.pdf
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チェックポイント詳細
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●自治体税収の見通しと内訳
・2021年度決算における税収とその中身は。
・2022年度の税収予測と、増額の補正予算の有無。
・2023年度当初予算の税収予測と、増加の場合の内訳は。
●施政方針演説における世界と日本の景気見通し
・施政方針演説に世界と日本の景気見通しはどのように記述されているか。
・留意事項の記述と施政方針演説との差は。
●2022年度補正予算の中身
・2022年度補正予算(12月、3月)の市税に関しての補正は。
・2022年度補正予算がプラス補正の場合の要因は。
●目的税の使途の公開
・地方消費税の引き上げ分、都市計画税、入湯税の税収額は。
・地方消費税の引き上げ分、都市計画税、入湯税の使途は公開されているか。
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さらなる調査のためのリンク集
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【予算】2023年度地方財政対策(1)税収増の一方で臨時財政対策債は削減され、一般財源総額は微増(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/7019/
【財政】総務省2022年度自治体予算の論点(1)景気は好調で税収増?広がるEBPM手法(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6599/
【税制】総務省2022年度自治体予算の論点(9)消費税のインボイス対応、都市計画税の使途公開(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6621/