<概要>
●緊急事態宣言でも国に開所を要請され、苦戦する保育所
●国は医療関係者には5万円〜20万円の慰労金を出したが、保育関係者には出していない
●保育士に独自の慰労金を出す自治体が続出
●コロナ感染で休園する保育園は多いが、代替保育が用意できる自治体は少ない
●代替保育の場所や補助金を用意する自治体の事例
<チェックポイント>
●コロナ禍における保育所の現状
●保育所に対する支援策
●コロナ休園時の代替保育
<掲載事例>
●静岡県
●岡山県岡山市、福岡県福岡市
●埼玉県朝霞市、千葉県いすみ市、三重県鈴鹿市、東京都世田谷区、東京都目黒区
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緊急事態宣言でも開所、苦戦する保育所
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・2021年1月の緊急事態宣言で、政府は保育所と学童保育について、感染対策を徹底したうえで原則として開所するよう自治体に周知。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210108/k10012802891000.html
・保育現場では室内や玩具の消毒作業が追加され、職員の大きな負担になっている。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210115/k10012815601000.html
・朝晩の送迎で保護者が保育所に入って行っていた子供の世話も、保護者が中に入れないため保育士の業務に。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/77999
・病児保育は、施設の利用控えや感染対策に伴う受け入れ制限で利用者が激減している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/837d26ec3debc9169bbb185ce243e61e74dcd2cd
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保育士に慰労金を支給する自治体も
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●苦労しても増えない保育士の収入
・国は医療関係者には5万円〜20万円の慰労金を出したが、保育関係者には出していない。
・病院内の保育所であっても慰労金の対象からは外れると説明。
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000645600.pdf
(1、2ページ)
・会計検査院からは2019年12月、保育士の賃金を引き上げるための国の交付金が賃金に上乗せされていないとの指摘もあった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53652990R21C19A2CR0000
・野党は2021年1月18日、保育所や幼稚園の職員も対象に含め、慰労金を再給付する議員立法を国会に提出。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021011800909
●保育士に独自の慰労金を出す自治体が続出
・岡山県岡山市は2020年12月、保育士や放課後児童クラブのスタッフに1人3万円を支給。
https://www.city.okayama.jp/0000026780.html
・埼玉県朝霞市では2021年1月29日、認可保育園や小規模保育施設、学童クラブの保育士に1人5万円の慰労金を支給する補正予算案が可決。
https://this.kiji.is/729162735963275264?c=39546741839462401
・静岡県は2021年2月議会に、保育所や幼稚園の職員に1人5万円の慰労金を支給する補正予算案を提出。
・対象には無認可保育園のほか、放課後児童クラブ、児童養護施設の職員、里親も含む。
https://www.chunichi.co.jp/article/192541
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コロナで休園しても代替保育の用意は困難
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・厚労省は2021年1月28日時点で、コロナ感染者が発生した保育所は累積で1,388カ所、感染者数は職員1,382名、利用乳幼児1,088名と発表。
・1月28日時点コロナにより全面休園している保育所などは11都府県で62カ所あった。
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000730387.pdf
・国はコロナ臨時休園の際、訪問保育やベビーシッターなど代替措置を講じるよう求めている。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/635082/
・しかし、東京23区や政令市、県庁所在地の計72市区で、代替措置を用意しているのは2020年7月時点で3割だけだった。
https://mainichi.jp/articles/20200725/k00/00m/040/164000c
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コロナ発生への保育所対応は自治体によって様々
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●コロナ休園時の代替保育の費用を助成(福岡県福岡市)
・コロナで休園となった保育所の保護者がベビーシッターや訪問保育を活用した場合、費用の一部を助成する事業を2021年度から始める方針。
・濃厚接触者など感染の疑いがある子どもの代替保育は、感染拡大の可能性もあるため対象外とする方向で調整。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/683307/
●閉鎖した古い保育園を代替保育に活用(三重県鈴鹿市)
・市立保育所の職員二人が新型コロナウイルスに感染したため、別の市立保育所の旧園舎で代替保育を開始。
・移転で2020年3月に閉鎖した園舎だが、代替保育が必要となった場合に備え、電気設備など必要最小限の機能は維持していた。
https://www.chunichi.co.jp/article/193296
●保育所のクラスターを早期PCR検査で終息(千葉県いすみ市)
・いすみ市の保育所は、園児1人の感染が確認され1月20日から休所、濃厚接触者だった園児4人の感染が判明しクラスターになった。
・他の園児と職員計153人を市医療センターでPCR検査して全員が陰性、保健所が1月31日に終息を確認し2月1日に保育所を再開。
・市は2020年6月にPCR検査の体制を整え、「熱があればすぐに検査を」と積極的な受診・検査を呼びかけている。
https://www.chibanippo.co.jp/news/local/761044
●保育の規模を縮小し、保護者には登園自粛を要請(東京都世田谷区、東京都目黒区)
・東京都世田谷区は1月12日から「通常保育」を「規模を縮小した保育」にし、可能な範囲での登園自粛の協力を要請。
・前回の緊急事態宣言より弱い要請のため、登園率は60~80%程度を想定、期間中は保育料を日割りにする。
・東京都目黒区も、国の「原則開園」を踏まえて、家庭で保育が可能な方に登園自粛の協力をお願い。
https://www.asahi.com/articles/ASP1F737KP1FUTIL01H.html
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チェックポイント詳細
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●コロナ禍における保育所の現状
・通常通り開所している保育所の割合はどうか。
・業務の負担など現状をヒアリングしているか。
●保育所に対する支援策
・消毒や備品購入に対して補助金はあるか。
・保育士に自治体独自で慰労金を出せないか。
●コロナ休園時の代替保育
・コロナで保育所が休園した場合、代替保育を準備しているか。
・民間サービスを利用する保護者に補助金を検討できないか。
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さらなる調査のためのリンク集
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【子育て】激化する保育士争奪戦!保育所の数だけでなく保育の質が問われる(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5940/
自治体が保育士に慰労金 政府対象外で独自支給「勤務感謝」(産経新聞)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200907/mca2009070500003-n1.htm