<概要>
●風邪以外の患者やタブレット端末など、想定外のルートで始まる院内感染
●院内感染を防ぐ基本は、徹底的な検査と隔離
●ドライブスルーで感染リスクを下げて2〜3倍の効率で検査
●病院前のテントで検温や問診を行い、患者の行き先を決めるトリアージ
●発熱者専門の外来を設置して、一般患者と動線を区分
●特定の病院に発熱外来を集約して、減収分を助成する自治体も
<チェックポイント>
●院内感染の現状と原因
●公立病院の来院者のチェック体制
●感染者と一般患者の動線区分
<掲載事例>
●長野県
●新潟県新潟市
●兵庫県西脇市、長野県岡谷市、東京都杉並区
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想定外のルートで始まる院内感染
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・92人の感染者を出した東京都中野区の病院は、コロナ患者を受け入れない一般病院だった。
・感染ルートは分かっておらず、出入りする外来患者や医療スタッフに未知の感染者がいた可能性がある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58003220T10C20A4EA2000/
・184人の感染者を出した東京都台東区の病院も、感染症指定病院や協力病院ではなかった。
・集団感染のあった屋形船の乗客が、風邪とは別の病気で入院していたことが原因と疑われる。
https://biz-journal.jp/2020/04/post_151767_3.html
・神戸中央市民病院は感染症指定病院で、兵庫県のコロナ対策の柱となる基幹病院。
・しかし、軽症者の病床を増やす際に同じフロアで一般患者と混在する状況となり、院内感染が始まった。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202004/0013265028.shtml
・大分県の国立病院では、タブレット端末や休憩室で感染が広がった可能性。
・現在はキーボードやマウスまで消毒し、休憩時間も可能な限りずらすようにしている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200408-OYT1T50171/
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基本は徹底的な検査と隔離
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・2月に院内感染が判明した和歌山県の病院は、ウイルス検査の徹底で収束に漕ぎ着けた。
・「他の病気で入院する患者にも初日に肺炎検査を行うべき」という専門家も。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57681760U0A400C2EA3000/
・日本政府は検査数を抑える政策を採ってきたが、徹底的な検査と隔離を求める専門家の声も根強い。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200411-00010000-videonewsv-soci
・地方の医師会からも「圏域ごとに共同外来を設けて検査の徹底を」という声。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200411-00000016-khks-soci
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ドライブスルーで感染者を車から降ろさない
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・新潟市は3月1日から、自家用車に乗ったまま受けられるドライブスルーPCR検査を開始している。
・医師が車の窓越しに問診と検体採取を行うため、患者同士が接触せず院内感染が起きにくい。
・医師も防護服を交換を必要がなく、通常の2〜3倍の効率で検査を実施できている。
https://mainichi.jp/articles/20200319/k00/00m/040/182000c
・電話で診療を受けて、ドライブスルーで処方せんの受け取りと支払いができる病院も。
https://www.asahi.com/articles/ASN4C734HN4BOBJB00F.html
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テントやロボットで病院に入る前にチェック
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・兵庫県西脇市の市立西脇病院は、駐車場のテントで患者を診療する「発熱トリアージ(選別)外来」を設置。
・感染の疑いがある患者を、その他の来院者と動線が交わらない場所で診察することで、院内感染を防ぐ。
・重症者は院内の専用外来診察室で再検査し、濃厚接触者などPCR検査が必要な場合は保健所と調整。
https://mainichi.jp/articles/20200327/ddl/k28/040/325000c
・長野県岡谷市の市民病院も、来院者全員の熱を屋外で測って問診する「発熱者トリアージテント」を開設。
http://www.nagano-np.co.jp/articles/60891
・兵庫県加東市の市民病院では、玄関のサーモグラフィーの前を熱のある人が通るとアラームが鳴る。
https://www.kobe-np.co.jp/news/hokuban/202003/0013169687.shtml
・病院の入口で声をかけて感染症の疑いをチェックする、会話ロボットを岡山中央病院が導入。
https://robotstart.info/2020/04/06/shanti-okayama.html
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専用外来を設置して一般患者と分ける
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・東京都杉並区は、区内4カ所の病院に「発熱外来センター」を設置すると発表。
・新型コロナの患者受け入れ拠点を4カ所のセンターに集約し、一般病院での院内感染を防ぐ。
・受け入れ病院は通常の診療・入院を縮小するため、区が月1〜3億円を助成。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57980990T10C20A4L83000/
・長野県も複数の県立病院で発熱外来を設置し、一般患者とは入り口から分けて対応。
・子ども病院の中庭にも専用テントを設けて、基礎疾患のある子への院内感染を防ぐ。
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200403/KT200402FTI090030000.php
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チェックポイント詳細
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●院内感染の現状と原因
・自治体内の病院で院内感染が起こった所はあるか。
・院内感染の原因や感染ルートは判明しているか。
●公立病院の来院者のチェック体制
・来院者に対する発熱チェックや問診をどのように行なっているか。
・感染が疑われる患者の検査をどのように行なっているか。
・付き添いや出入り業者に対するチェックは行なっているか。
●感染者と一般患者の動線区分
・ドライブスルーで車に乗ったままの問診や検査はできないか。
・発熱者専用の外来を設けてはどうか。
・自治体で発熱外来を集約して、一般の病院と完全に分けることはできないか。
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さらなる調査のためのリンク集
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医療機関における院内感染対策マニュアル作製のための手引き(厚生労働省)
https://janis.mhlw.go.jp/material/material/Ver_6.02本文170529.pdf
新型インフルエンザ医療体制ガイドライン(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/090217keikaku-05.pdf