<概要>
●スウェーデンが発祥のオンブズマン制度
●日本では総務省に行政相談センターがあり、行政相談週間も
●行政や議会を監視する市民団体としてのオンブズマン
●自治体が条例で定めるオンブズパーソン制度
●巡回オンブズ、分野別オンブズなど自治体の取り組み
<チェックポイント>
●市民からの苦情受付と対応窓口
●過去の苦情受付実績
●自治体でのオンブズ制度
<掲載事例>
●神奈川県川崎市
●新潟県上越市、神奈川県藤沢市、熊本県熊本市、大阪府枚方市、東京都千代田区、兵庫県川西市、東京都小金井市
●全国市民オンブズマン連絡会
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スウェーデンと日本の公的オンブズマン制度
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●スウェーデンが発祥のオンブズマン制度
・オンブズマン制度は19世紀初めにスウェーデンにおいて初めて設置された制度。
・高い識見と権威を備えた第三者(オンブズマン)が、行政に対する苦情を受け付け、中立的な立場からその原因を究明し、是正措置を勧告する。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/soudan_n/kokusaikouryu.html
・スウェーデンでは法務監察長官は政府が任命する内部監視機関であり、市民の申立や職権により調査を開始。
・公文書に自由にアクセスでき、監視対象から 情報提供を受ける権限を持つ。
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3194047_po_073004.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
(1ページ)
・議会設置のオンブズマンも存在して、議会の関与を受けずに活動し、高い独立性をもちつつ行政監視を行う。
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8433524_po_02590012.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
(1~3ページ)
●日本では総務省に行政相談センターがあり、行政相談週間も
・日本では、総務省に行政相談を受け付ける制度(総務省行政相談センター「きくみみ」)があり、毎年10月に「行政相談週間」を実施。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/soudan_n/shukan.html
・北欧のオンブズ制度に比べて、独立性や苦情受付後の処理に違いがある。
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3194047_po_073004.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
(91ページ)
・総務省は「ご存知ですか?行政相談」という動画で、相談を様々な窓口で受け付け、必要に応じて関係機関に確認するなどして回答しているとアピール。
https://www.youtube.com/watch?v=xMke1Co_tBE
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市民オンブズマンと自治体オンブズマン
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●行政や議会を監視する市民団体としてのオンブズマン
・日本では行政や議会を監視する市民団体が発達、2022年4月25日現在、全国で67団体が存在する。
https://www.ombudsman.jp/prefs_menu
・市民の代理人として苦情を聞いて行政を是正する「公的オンブズマン」が日本にはいないため、市民自らオンブズマンとして行政の不正・腐敗を追及している。
・自治体の情報公開条例と地方自治法242条の規定に基づき、情報公開と住民訴訟で地方自治体を主に追及している。
https://www.ombudsman.jp/office/q-a
●自治体が条例で定めるオンブズパーソン制度(新潟県上越市)
・新潟県上越市では、上越市自治基本条例と上越市オンブズパーソン条例にもとづき、オンブズパーソン制度を運用。
https://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/ombuds/ombuds.html
・2021年度には苦情申立11件、苦情相談36件を取り扱い、調査等を実施すべきとした件数は2件だった。
https://www.city.joetsu.niigata.jp/uploaded/attachment/218667.pdf
(2ページ)
・2022年2月に開催された、自治体の設置機関と総務省による全国行政苦情救済・オンブズマン制度連絡会にも参加。
https://www.city.joetsu.niigata.jp/uploaded/attachment/218667.pdf
(4、5ページ)
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巡回オンブズ、分野別オンブズなど自治体の取り組み
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●全国ではじめてオンブズマン制度を導入して30年を迎える(神奈川県川崎市)
・川崎市は1990年、全国に先駆けて自治体で初めてオンブズマン制度を導入。
・2020年に30年を迎えたことを記念に「川崎市市民オンブズマン30年のあゆみ」とする冊子を発行。
https://www.city.kawasaki.jp/shisei/category/59-1-9-0-0-0-0-0-0-0.html
・川崎市市民オンブズパーソンも条例に基づき設置、2021年度は99件を受け付け、継続中の案件とあわせて対応。
https://www.city.kawasaki.jp/shisei/category/59-1-0-0-0-0-0-0-0-0.html
https://www.city.kawasaki.jp/750/cmsfiles/contents/0000139/139855/R3ombudsmanhoukoku.pdf
(3,6ページ)
・「市営住宅をバリアフリーに」「市立小学校がPTA入会意思を確認しないで会費を引き落としたこと」といった改善項目を、行政も受け入れて対応した。
https://www.city.kawasaki.jp/750/cmsfiles/contents/0000139/139855/R3ombudsmanhoukoku.pdf
(13~15ページ)
●巡回オンブズ、分野別オンブズといったきめ細かな工夫(神奈川県藤沢市、熊本県熊本市、大阪府枚方市、東京都千代田区、兵庫県川西市、東京都小金井市)
・神奈川県藤沢市、熊本県熊本市は、巡回オンブズマンを実施して、市民センター・公民館で苦情・申し立てを受け付け。
https://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/ombuds/junkai.html
https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=42780&sub_id=1&flid=304117
(39ページ)
・分野限定のオンブズパーソンもあり、大阪府枚方市は福祉保健サービスに絞った「福祉オンブズパーソン制度」、東京都千代田区では「保健福祉オンブズパーソン」。
https://www.city.hirakata.osaka.jp/0000006861.html
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kenko/koresha/sodan/ombudsman.html
・兵庫県川西市や東京都小金井市では、いじめ・差別・体罰・虐待などで苦しむ子どものための「子どもオンブズパーソン」が導入されている。
https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/kurashi/shimin/jinken/kdm_onbs/index.html
https://www.city.koganei.lg.jp/smph/kosodatekyoiku/kenri/kodomoombuds.html
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チェックポイント詳細
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●市民からの苦情受付と対応窓口
・市民から行政に対する苦情受付の窓口は。
・苦情に対して対応、応答までどのような手続きとなっているか。
・総務省に合わせた行政相談週間を設定してはどうか。
●過去の苦情受付実績
・過去5年間の苦情受付件数は。
・受け付けた苦情に対する個別対応についてのデータは存在するか。
●自治体でのオンブズ制度
・自治体でオンブズ制度の導入を検討したことはあるか。
・先進自治体の事例研究は。
・巡回や分野別の行政相談を検討してはどうか。
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さらなる調査のためのリンク集
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地方公共団体における公的オンブズマン制度の実態把握のための調査研究(一般財団法人 行政管理研究センター)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000423175.pdf
【子ども】子どもの権利を守る!条例制定や第三者機関など自治体の取り組み(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6704/
【福祉】生活相談、平日昼間以外の相談受付は?夜間・休日対応、メール活用、出張相談(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6939/