【エネルギー】光熱水費の高騰対策(3)再エネ促進、コーポレートPPA(政策アイディア)

<概要>

●物価の変動による影響が指定管理者の負担に

●指定管理者関連団体が、国と自治体に申し入れ

●公共施設の屋根を使い、民間が発電事業

●コーポレートPPA(電力購入契約)という選択肢

●市民出資を活用したオンサイトPPAなど自治体の取り組み

<チェックポイント>

●指定管理を行っている公共施設の光熱水費

●再エネ促進に向けた公共施設の屋根活用策

●コーポレートPPAの導入検討

<掲載事例>

●神奈川県、大阪府

●福岡県北九州市

●京都府福知山市、鹿児島県鹿児島市

●一般社団法人指定管理者協会、自然エネルギー財団

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光熱水費の高騰に苦しむ指定管理者
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●物価の変動による影響が指定管理者の負担に

・光熱水費の高騰は、指定管理者制度を導入している公共施設にも影響。

・管理委託料における光熱水費は、全ての上昇分を指定管理者が負担するというルールになっている場合がある。

・ただし、物価変動により維持管理業務が大きな影響を受けると見込まれる場合については、指定管理者からの協議の申出も可能。

https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2022033100104/files/shitumonkaitou.pdf

●指定管理者関連団体が、国と自治体に申し入れ

・一般社団法人指定管理者協会では、光熱水費の上昇に係る公の施設の管理運営について、国及び地方自治体へ配慮を依頼する要請文を作成。

・「光熱水費の変動リスクの指定管理収支からの分離」「電力事業者との契約が困難な状況」「公募時には予想しがたい事態」を列挙。

・愛知県知事が表明したような、指定管理料の上乗せ補助を求める。

https://www.shiteikanri.org/cms/wp-content/uploads/2022/06/220603電力関係初回提言-Ver1.03.pdf

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公共施設の屋根を使い、民間が発電事業
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・民間業者に屋根を貸し、太陽光発電事業を実施すると、初期費用を抑えつつ自家消費による電気代削減メリットが得られる。

・国は2030年度までに、国・地方公共団体が保有する設置可能な建築物屋根等の約50%に太陽光発電を導入することを目指す。

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/034_04_00.pdf
(6ページ)

・神奈川県は県有施設の「屋根貸し」事業による太陽光発電を推進、施設別の発電量の実績を毎年発表する。

http://www.pref.kanagawa.jp/docs/e3g/cnt/f430230/

http://www.pref.kanagawa.jp/documents/11369/r2jisseki.pdf

・大阪府では、公共施設の屋根や遊休地を借りて発電事業を行う事業者とのマッチングで、2019年には13施設・1,082.83kWの発電設備を設置。

https://www.pref.osaka.lg.jp/eneseisaku/roof_rental/index.html

https://www.pref.osaka.lg.jp/eneseisaku/roof_rental/2018yane.html

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コーポレートPPA(電力購入契約)という選択肢
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・コーポレートPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)とは、自治体が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期購入する契約。

・自然エネルギー財団は2020年9月に導入ガイドを発表し、今後は自家発電・自家消費と並び PPAの割合が高まるとする。

https://www.renewable-ei.org/pdfdownload/activities/REI_GuidebookCorpPPA.pdf
(1,3、4ページ)

・これまでは、建物の屋根や敷地内のスペースを利用した 「オンサイト PPA」と呼ぶ契約方式が主流であった。

・今後は敷地面積にかかわらず発電量を確保できる「オフサイトPPA」に注目が集まる。

・オフサイトPPAには、発電した電気を購入者に直接供給する物理的PPAと、市場などに販売する仮想PPAの2種類がある。

・電力の価格変動リスクを減らすことができることが、PPAのメリットとされる。

https://www.env.go.jp/earth/off-site%20corporate.pdf
(3、4,6ページ)

・環境省は、再生可能エネルギーを導入する自治体の先進事例を収集、PPAの事例も検索できる。

https://ondankataisaku.env.go.jp/re-start/list/?utm_source=re-start&utm_medium=top&utm_campaign=2022cc&utm_term=re-start&utm_content=top

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市民出資を活用したオンサイトPPAなど自治体の取り組み
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●市民出資を活用したオンサイトPPA(京都府福知山市)

・京都府福知山市では、2019年1月に「地域貢献型再生可能エネルギー事業の推進に関する協定」を5者間で提携。

・2021年11月に市民出資を活用した「オンサイトPPA事業」を、三段池総合体育館や武道館、学校給食センターで開始。

・自宅に太陽光発電施設を設置できない市民も、出資により再生可能エネルギーの担い手として参加できる。

https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/uploaded/attachment/28531.pdf

●遊休地で発電して公共施設に電力供給するオフサイトPPA(鹿児島県鹿児島市)

・鹿児島市は「鹿児島市再生可能エネルギー活用計画」にオフサイトPPA方式を記載。

http://www.city.kagoshima.lg.jp/kankyo/kankyo/saiene/saienekatuyoukeikaku/documents/saienekeikaku3.pdf
(44、45ページ)

・民間業者が市の所有する遊休地に太陽光発電所を建設し、ここで発電した電力を鹿児島市の「かごしま環境未来館」へ供給する。

https://yamato-energy.com/213/

●第三者所有方式で、初期投資なく太陽光パネルを施設に設置(福岡県北九州市)

・福岡県北九州市では、初期投資なく太陽光パネルや蓄電池を施設に設置し、小売電気事業者が管理・運用する第三者所有方式を実施。

・2025年度までに、市内にある再エネ発電所の電力を利用して、全ての公共施設を再エネ100%電力化する。

https://www.city.kitakyushu.lg.jp/kankyou/29000049.html

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チェックポイント詳細
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●指定管理を行っている公共施設の光熱水費

・指定管理を行っている公共施設における光熱水費の動向は。

・光熱水費高騰に関しての指定管理者とのリスク分担協議は。

●再エネ促進に向けた公共施設の屋根活用策

・現在の公共施設における屋根活用の現状は。

・さらなる再エネ機器導入に向けた検討は。

●コーポレートPPAの導入検討

・コーポレートPPA(電力購入契約)の導入検討は。

・オンサイトもしくはオフサイトPPAの検討は。

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さらなる調査のためのリンク集
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【環境】第6次エネルギー基本計画直前、自治体の再生可能エネルギー振興(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6328/

【環境】再エネ電気をふるさと納税返礼品に!再エネ比率を高める取り組み(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6393/

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