【環境】廃棄物に付加価値をつけて、廃棄物削減と収益の両立を狙うアップサイクル(社会・技術動向)

<概要>

●廃棄物に付加価値をつけて再生するアップサイクル

●サステナブルファッションの推進に向けた関係省庁連携会議

●アップサイクルを推進する自治体や企業の動き

●自治体によるアップサイクル商品の事例

<チェックポイント>

●廃棄物を削減する政策

●アップサイクルの取り組み

<掲載事例>

●青森県

●愛知県名古屋市、大阪府大阪市、兵庫県神戸市

●神奈川県鎌倉市、岐阜県岐阜市、滋賀県甲賀市

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廃棄物に付加価値をつけて再生するアップサイクル
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・アップサイクルとは、廃棄物にデザインやアイデアなど付加価値を持たせ、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせること。

・アップサイクルは、リサイクルのように「原料」に戻すのではなく、元の製品として「素材」をそのまま活かす手法。

・アップサイクルという言葉の認知度は45.7%だが、アップサイクルの内容を説明すると、91.7%が「アップサイクルは必要」と回答。

https://ideasforgood.jp/glossary/upcycle/

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サステナブルファッションの推進に向けた関係省庁連携会議
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・衣服については、原材料調達から生産・使用・廃棄の各段階での環境負荷など、様々な課題が内外で指摘されている。

・消費者庁・経済産業省・環境省がサステナブルファッションの推進に向けた関係省庁連携会議で、事業者及び消費者の双方に向けた取組を計画的に推進。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/meeting_materials/review_meeting_005/

・事業者にアップサイクル、リユースの推進、各種リサイクル技術の高度化、環境配慮設計の推進等を求めている。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/meeting_materials/assets/consumer_education_202_210820_02.pdf

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アップサイクルを推進する自治体や企業の動き
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●アップサイクルフォーラムを開催して企業を応援(青森県)

・青森県は2022年6月29日、県由来の未利用資源を活用したアップサイクルビジネスの創出を図るため、「青森県アップサイクルフォーラム」を設立。

・「キックオフセミナー」には、アップサイクルに関連したビジネスに興味・関心のある30の企業・団体が参加した。

・りんごの搾りかすや水産物の残りかすも着目されており、未利用資源を高い付加価値をつけて売りたい企業を応援する。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20220629/6080016487.html

●産官学民連携でリサイクリエーションラボを開設(花王、鎌倉市)

・花王は「デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」に参画し、慶應義塾大学・鎌倉市などと「リサイクリエーションラボ」を開設。

・慶應義塾大学が持つ技術を、ごみの減量や資源化を推進してきたSDGs未来都市の鎌倉市に導入する。

・産官学民が連携して市内で排出されるプラスチックをより付加価値のあるものに再商品化し、地域に還元することで循環型社会の構築をめざす。

https://www.jiji.com/jc/article?k=000000168.000070897&g=prt

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自治体によるアップサイクル商品の事例
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●消防署の廃棄物をアップサイクル(愛知県名古屋市、岐阜県岐阜市、滋賀県甲賀市)

・廃棄される名古屋市消防局の防火服が、市内の企業とのコラボでキャンプ用品に生まれ変わって好評を得た。

・生地が耐火、耐水性に優れるため、キャンプ場でバーナーや調理器具が発する熱からテーブルの天板を守る品などになる。

・岐阜市消防本部は昨年から、使わなくなった分を社会福祉法人に寄付し、障害のある人がエコバッグなどを作る素材として活用する取り組みを始めた。

https://www.chunichi.co.jp/article/467588

・滋賀県甲賀市は、世界で初めて廃棄消防ホースを再利用してバッグ・財布・小物を製作して商品化したものをふるさと納税返礼品に採用。

https://www.furusato-tax.jp/product/detail/25209/5021247

●廃棄地下鉄車両の部品をアップサイクル(神戸市、大阪市)

・神戸市は、市営地下鉄の車両で実際に使用されていたシートをアップサイクルしたソファを受注販売。

https://kisspress.jp/articles/27306/

・大阪メトロは40年近くに亘り活躍してきた廃棄車両の部品を、ものづくり事業者やクリエイターとの共創で商品化。

・「子どもが吊り革をつかめるように」と生まれたバッグや、本革を使ったペット用品などが商品化された。

https://subway.osakametro.co.jp/news/news/20220201_osakametrocreat.php

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チェックポイント詳細
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●廃棄物を削減する政策

・廃棄物削減に向けて、どのような政策がとられているか。

・庁内からの廃棄物を、さらに減らす方策はあるか。

●アップサイクルの取り組み

・県内・市内の民間企業で取り組んでいる事例はあるか。

・自治体関連部門からの廃棄物でアップサイクルの検討をしているか。

・庁内の各局横断的にアップサイクルの取り組みを進める予定はあるか。

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さらなる調査のためのリンク集
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【環境】衣料品ロスを削減し、サステナブルファッションへ(政策メルマガ)
https://policy-making.com/db/6717/

【廃棄物】ごみ減量の切り札は?有料化、排出内容分析、個別減量策などの取り組み(政策メルマガ)
https://policy-making.com/db/6585/

【廃棄物】分別収集か焼却処分か、2022年4月からのプラスチック処理(政策メルマガ)
https://policy-making.com/db/6580/

【廃棄物】ペットボトル再生は海洋プラスチック問題のカギ!ボトル to ボトルの新技術
https://policy-making.com/db/6266/

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