<概要>
●2023年春から自治体ごとに違った個人情報保護制度が一元化
●死者の情報に対する遺族からのアクセス権
●個人情報取扱事務登録と個人情報ファイルの併存
●口頭での情報開示請求
●自治体の個人情報保護審査会の役割
●個人情報保護条例における自治体の工夫
<チェックポイント>
●個人情報保護条例の改正予定
●条例改正の論点
●個人情報保護審査会の役割
<掲載事例>
●群馬県安中市、大阪府箕面市
●特定非営利活動法人 情報公開クリアリングハウス
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自治体ごとに違った個人情報保護条例が一元化
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●自治体ごとに異なる個人情報保護条例
・個人情報を取り扱う省庁が複数あり、また自治体の条例ごとに差異があるという「個人情報保護法制2000個問題」が存在。
・個人情報の定義や安全管理の水準にばらつきがある一方で、条例がない自治体や一部事務組合が残っていた。
・自治体ごとに個人情報のルールが違うと、医療や災害などにおける広域データ連携や、ビッグデータ・オープンデータの利活用ができない。
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20161115/161115toushi01.pdf
(2、3、5ページ)
●2023年春から自治体の個人情報保護制度が一元化
・2021年に個人情報保護法が改正され、官民を通じた個人情報保護制度が一元化された。
・地方公共団体の個人情報保護制度についても、統合後の法律において全国的な共通ルールを規定し、全体の所管を個人情報保護委員会に一元化。
・「個人情報保護」と「データ流通」の両立に必要な全国的な共通ルールを法律で設定し、法律の範囲内で必要最小限の独自の保護措置を許容。
・地方公共団体に関する法施行は2023年春となっており、国のガイドラインに従った条例改正が求められる。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000790352.pdf
(3〜5ページ)
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改正法を受けて条例改正する際の論点
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●死者の情報に対する遺族からのアクセス権
・改正された個人情報保護法では、個人情報の定義を「生存する個人に関する情報」と限定した。
・自治体条例では生存するか否かを問わない規定になっていることが多いが、今後は条例で死者の情報を個人情報に含めることはできない。
・死者の情報は個人情報では無いので開示請求の対象にならず、遺族からのアクセスをどう保障するかが課題。
http://jjc.jpn.org/pdf/20220525/005.pdf
(6〜9ページ)
●個人情報取扱事務登録と個人情報ファイルの併存
・これまでは個人情報を取り扱う事務を、「個人情報取扱事務登録」として一覧でまとめていた。
・改正法では一定の事務の目的を達成するために個人情報を検索することができるように体系的に構成した「個人情報ファイル簿」の作成が義務付けられた。
・個人情報ファイル簿では事務単位の個人情報の取り扱いが見えにくく、1000人未満の個人情報しか含まない場合はファイル簿の作成義務がない。
・透明性を確保するために、個人情報取扱事務登録と個人情報ファイルを併存させるべきという指摘も。
http://jjc.jpn.org/pdf/20220525/005.pdf
(11〜16ページ)
●口頭での情報開示請求
・試験の結果などを口頭で開示を求めて、その場で開示を受ける仕組みを導入している条例があるが、改正法では口頭開示請求は許容されない。
・外部提供の例外として、「本人同意又は本人への提供」の場合は可とする規定があるので、それを適 用して行うことはできる。
・条例に明示するか、運用レベルの徹底かいずれかが必要。
http://jjc.jpn.org/pdf/20220525/005.pdf
(18ページ)
●自治体の個人情報保護審査会の役割
・改正法では個人情報保護の審査は国の役割となり、自治体の個人情報保護審査会は個別案件の個人情報の取り扱いについて判断できない。
・運用ルールの細則や条例改正などの際には、個人情報の適正な取扱いを確保するため専門的な知見に基づく意見を聴くことができる。
・諮問や報告など、今後の審査会の役割をどう規定し、運用するかが課題。
http://jjc.jpn.org/pdf/20220525/005.pdf
(21〜23ページ)
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個人情報保護条例における自治体の工夫
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●口頭での情報開示を条例に明文化(群馬県安中市)
・実施機関があらかじめ定めた個人情報について、本人が開示請求をしようとするときは、口頭により行うことができる。
・本人証明を提示すれば、実施機関は直ちに個人情報を開示しなければならない。
https://www1.g-reiki.net/annaka/reiki_honbun/r354RG00000063.html?id=j23
(第23条)
・口頭開示の対象は、一時的に多くの開示請求が見込まれ、特に即時性が要求され、情報の記録形態が定型的で開示に関する判断をあらかじめ一律に行っておけるもの。
https://www1.g-reiki.net/annaka/reiki_honbun/r354RG00000725.html
●生活困窮者等の情報の目的外利用を条例に明記(大阪府箕面市)
・個人情報保護条例の改正を行い、「生活困窮者」については「その心身の保護又は生活の支援の目的のために必要」があれば目的外利用と外部利用が可能と明記。
・市役所内で支援が必要なかたに必要な支援を迅速に行うため、相談を受けた室はその内容を本人の承諾なく担当室等に提供できる。
・生活困窮者、虐待を受けた児童や高齢者や障害者、ひとり親世帯、引きこもり、いじめを受けている児童生徒などが対象に定められている。
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チェックポイント詳細
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●個人情報保護条例の改正予定
・個人情報保護条例の改正予定は。
・国の法律にない独自の保護措置はあるか。
●条例改正の論点
・死者の個人情報は条例などでどう規定され、運用されてきたか。
・個人情報取扱事務登録はどう運用されてきたか。
・口頭での開示は条例などでどう規定され、運用されてきたか。
・上記の論点は条例改正後はどのように既定され、運用されるのか。
●個人情報保護審査会の役割
・個人情報保護審査会の活動状況はどうか。
・今後はどのような役割とするのか。
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さらなる調査のためのリンク集
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令和3年 改正個人情報保護法について(個人情報保護委員会)
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/minaoshi/
【災害】死者・行方不明者の氏名は公表すべきか?分かれる自治体の対応(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5814/
【情報公開】市民参加の大前提!情報公開は民主主義のバロメーター(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5569/