【農業】有機食材を使ったオーガニック給食、有機農業による地域活性化を(事例研究)

<概要>

●有機食材を取り入れた「有機給食」を導入する自治体が増加

●「有機給食」未実施自治体では保護者から行政や議会への要望

●自治体の条例で有機農業・有機給食を後押しする動き

●国も認証制度や情報提供で有機農業を支援

●有機農業よる地域活性化など自治体の取り組み

<チェックポイント>

●給食食材における有機食材の使用状況

●保護者からの有機給食の要望

●自治体区域内における有機農業の現状と支援策

<掲載事例>

●岡山県

●愛知県名古屋市

●千葉県いすみ市、兵庫県丹波篠山市、大分県臼杵市

●オーガニック給食マップ

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「有機給食」を導入する自治体が増加
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●有機食材を取り入れた「有機給食」を導入する自治体が増加

・韓国は2021年にソウル市内のすべての小中高に「有機(オーガニック)無償給食」を導入、韓国国内で「有機給食」が広がる。

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/31972.html?fbclid=IwAR09XvhZvgKytbPuLMWEiEOSe6IYuXlvDh1ieL5kXJGnk3AqgaW__7pu7Fk

https://organic-lunch-map.studio.site/case-study-details/dg_6f-aA

・日本でも「有機(オーガニック)給食」導入の自治体が増加、市民団体「オーガニック給食マップ」はHPにて状況を知らせる。

https://organic-lunch-map.studio.site/map

・千葉県いすみ市は、2017年に全国で初めて給食の米を全量有機米とし、公民連携の好例として「いすみモデル」とされる。

https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/hukyu/h_siryo/attach/pdf/R3-13.pdf
(4ページ相当)

・兵庫県丹波篠山市は、団体「篠山自然派」が2021年7月に市内全33校園に約4千食分の有機野菜を初めて提供、9月から給食で利用されることに。

https://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/202109/0014646287.shtml

●「有機給食」未実施自治体では保護者から行政や議会への要望

・愛知県名古屋市では、母親らの団体が有機(オーガニック)給食を市長や行政に要請。

・2021年11月に「オーガニックバナナ」が導入され、全国の政令指定都市では初のオーガニック導入となった。

https://www.nagoyatv.com/news/?id=009954

・岡山県では「おかやま有機無農薬農産物」の給食食材への活用を保護者らが岡山県議会に陳情、2020年12月に県議会で可決された。

https://greencoop-okayama.jp/information/【締切延期%EF%BC%8F中間報告】「より安全な学校給食」/

●自治体の条例で有機農業・有機給食を後押しする動き

・愛知県今治市は「食と農のまちづくり条例」の第7条に、「学校給食の食材に安全で良質な有機農産物の使用割合を高める」と規定。

https://www.city.imabari.ehime.jp/reikishu/reiki_honbun/r059RG00000848.html

・千葉県木更津市も2016年に「木更津市人と自然が調和した持続可能なまちづくりの推進に関する条例」(通称:オーガニックなまちづくり条例)」を制定。

・地域内消費を高める「木更津産米を食べよう条例」の一環として、学校給食米に有機JAS認証を受けた「きさらづ学校給食米」を提供。

https://www.city.kisarazu.lg.jp/shokai/kanko/tokusan/1007511.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
国も認証制度や情報提供で有機農業を支援
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●有機農業は検査認証制度があり有機JASマークを使用

・「有機農業推進法」で、有機農業とは
1)化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
2)遺伝子組換え技術を利用しない
3)農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減 と定義されている。

https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/

・検査認証制度により認証された有機食材には「有機JASマーク」を表示できる。

https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html

●農水省も地球温暖化防止等に寄与するとして有機農業を支援

・農水省は、有機農業が環境にもたらす効果に関する研究成果を紹介し、生物多様性の保全や地球温暖化防止等に寄与することを示す。

https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/meguji-full.pdf
(2ページ)

・パンフレットにも「生物の多様性、生物的循環及び土壌の生物活性等、農業生態系の健全性を促進し強化する全体的な生産管理システム」と記載。

https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/organic_panel_2019.pdf

・岩手県住田町の給食提供など、2018年時点の有機農産物や有機農業による生産物の地域内消費拡大に向けた取組を紹介。

https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/chosa_jichitai-52.pdf

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
有機農業よる地域活性化など自治体の取り組み
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●有機農業のまちづくりと移住支援で若い就農希望者を誘致(大分県臼杵市)

・臼杵市では、2010年に「臼杵市土づくりセンター」を開設し、原材料の8割を草木類、2割を豚糞とした「うすき夢堆肥」を製造。

・化学的に合成された肥料の使用を避け栽培した農産物を「ほんまもん農産物」として市長が認証している。

https://www.city.usuki.oita.jp/docs/2015020500025/

・有機農業で有名になり、月刊誌の「住みたい田舎ランキング」で1位に。

・月給16万6千円が支給され、住宅・研修圃場・農業に必要な資材をすべて市が準備し、有機農業を推進する「地域おこし協力隊(有機農業隊員)」を募集。

https://agri.mynavi.jp/2020_09_28_132462/

●有機給食の普及「一石四鳥」の効果と各地の事例(愛知県東郷町・長野県松川町など)

・東京新聞は多くの事例とともに「有機給食の普及「一石四鳥」の効果」と報道。

・1)子どもたちへの健康に良い食材、2)有機農業の育成、3)新規就農者の呼び込み、4)二酸化炭素(CO2)を削減、と有機給食を起点に食と農と環境の好循環を生み出す。

・愛知県東郷町・長野県松川町など少なくとも60近い自治体が地元産物を中心に有機食材を積極的に取り入れていると報道、各事例についても詳細を紹介。

https://www.chunichi.co.jp/article/390244

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
チェックポイント詳細
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●給食食材における有機食材の使用状況

・給食食材における有機食材の使用状況は。

・有機米の調達はどの生産地から、どのような種類を行っているか。

●保護者からの有機給食の要望

・保護者から有機給食の要望はあるか。

・議会への陳情などで有機給食について議論はあったか。

●自治体区域内における有機農業の現状と支援策

・自治体区域で有機農業を実施してるか。

・移住者も含め、有機農業の志向者への支援策は。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
さらなる調査のためのリンク集
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

【教育】「公会計化」と地産地消で、学校給食にさらなる工夫を!(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5954/

【教育】広がる給食費公会計化、次なるステップは学校徴収金(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6173/

【農林水産】官民一体の「売れる農業」で躍進!宮崎県と鹿児島県のブランド戦略(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6430/

おすすめ記事