<概要>
●コロナ禍で高まった二地域居住への関心
●国土交通省は「全国二地域居住等促進協議会」を設立
●内閣官房・内閣府は地方創生テレワークを推進
●二地域居住を推進する自治体と民間の施策
●「区域外就学制度」を活用した二地域居住
<チェックポイント>
●自治体における移住政策
●二地域居住、多地域居住の施策
<掲載事例>
●徳島県
●栃木県栃木市、長野県佐久市、新潟県佐渡市
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コロナ禍で高まった二地域居住への関心
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・現在複数拠点生活を行っている人は、調査対象の6.6%(推計約617万人)、 今後複数拠点生活を行いたい人は、同じく7.1%(推計約661万人)。
・望む地方暮らしのスタイルは、都市部と地方圏のどちらにも生活拠点をもつ「二地域居住」が、地方圏のみで暮らす「移住・定住」の割合を超す。
・2020年7月〜2021年2月にかけて、8ヶ月連続で東京都から他県への転出超過が続いた。
・コロナ禍で8割の企業がテレワークを導入し、テレワーク経験者の24.6%が地方移住への関心が高まった。
・住まいや移動の費用負担、勤務・労働環境の制約、住民票に基づく住民サービスの制度面などが課題。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg6/20210423/pdf/shiryou2-4.pdf
(2〜4ページ)
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二拠点居住を推進する国の動き
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●国土交通省は「全国二地域居住等促進協議会」を設立
・国全体で人口が減少する中、すべての地域で「定住人口」を増やすことはできない。
・都市住民が農山漁村などの地域にも同時に生活拠点を持つ「二地域居住」などで、地域への人の誘致・移動を図ることが必要。
https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/chisei/kokudoseisaku_chisei_tk_000073.html
・国土交通省は2021年3月9日、全国二地域居住等促進協議会を設立。
・二地域居住に関連する施策の情報交換や発信、対応策の検討・提言等を行うことにより、二地域居住等の機運を一層高めるためことが目的。
https://www.mlit.go.jp/2chiiki/index.html
●内閣官房・内閣府は地方創生テレワークを推進
・新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、地方で暮らしてもテレワークで都会と同じ仕事ができるとの認識が拡大。
・地方におけるサテライトオフィスでの勤務など、地方創生に資するテレワークを国が推進し、地方分散型の活力ある地域社会の実現を図る。
・地方創生テレワークの推進に向けた主要な支援策として、地方創生テレワーク交付金や推進事業が盛り込まれる。
https://www.mlit.go.jp/2chiiki/files/210309document_06.pdf
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二地域居住を推進する自治体と民間の施策
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●リモートワーク実践者スタートアップ支援金(長野県佐久市)
・長野県外から移住してきた人や長野県外との二地域居住を始めた人が、リモートワークを実践する場合の支援金を交付。
・新幹線乗車券等購入費支援金(⽉額上限2万5千円、最⻑36カ⽉)、シェアオフィス等利用支援金(⽉額上限5千円、最⻑36カ⽉)など。
https://www.city.saku.nagano.jp/kanko/ijyuteijyu/shien/remote-shienkin.files/R3.4remote-youkou.pdf
●空き家等の活用を通じた二地域居住の推進(栃木県栃木市)
・空き家・空き地バンクにより、移住や二地域居住の希望者に積極的にプロモーション。
・宅建業者や自治会との連携では、物件登録と空き家マッチングに成果が出ている。
・空き家バンクリフォーム補助など、きめ細かな補助金等も奏功している。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg6/20210423/pdf/shiryou2-4.pdf
(10ページ)
・空き家バンク利用登録の申請ができる対象に、栃木市に移住、定住に加えて二地域居住を希望する人も含む。
https://www.tochigi-akiya.jp/faq/
●多拠点居住目指し、新潟県佐渡市と株式会社アドレスが連携協定
・日本各地の民家や宿泊施設に定額で住むことができるサービスを提供している株式会社アドレスが、佐渡市と連携協定。
・佐渡市が移住を検討している人向けに貸し出しを行っている「お試し住宅」の一部を、アドレス社の定額サービスに登録している会員が利用できる。
・観光を目的とする「交流人口」だけでなく、仕事で長期滞在することなどで地域と関わる人を指す「関係人口」の拡大も目指す。
https://www.joetsu.ne.jp/161605
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「区域外就学制度」を活用した二地域居住
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●数週間だけ都市部の生徒を受け入れる「デュアルスクール」(徳島県)
・「区域外就学制度」を活用することによって、都市部に住民票を置いたまま、保護者の短期居住(数週間程度)にあわせて徳島県の学校に学籍を異動。
・学籍を異動させているので、受入学校での就学期間も住所地の学校では欠席とならず、受入学校での出席日数として認められる。
・地方と都市の交流人口や「関係人口」の増加による地方創生と少子化への対応、「二地域居住」や「地方移住」を促進することを目的。
https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kyoiku/gakkokyoiku/2016080900084
●区域外就学制度を活用した国内短期留学(長野県塩尻市)
・住民票の異動を省略して塩尻市内の小規模の小・中学校に転校し、また元の学校に戻る。
・期間は原則1カ月以内で、市内にあるホテル等の宿泊場所を自ら確保し、児童生徒の保護者または代理人と共に生活することが条件。
https://www.city.shiojiri.lg.jp/soshiki/39/2779.html
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チェックポイント詳細
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●自治体における移住政策
・移住希望者の窓口は設置されているか、相談件数はどうか。
・リノベーションした空き家の活用など、どのような施策があるか。
・施策ごとの利用状況はどうなっているか。
●二地域居住、多地域居住の施策
・二地域居住の推進が自治体の施策に位置づけられているか。
・「区域外就学制度」を活用した施策はあるか。
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さらなる調査のためのリンク集
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一般社団法人デュアルライフ協会
https://duallife.or.jp/
二地域居住とそれを支える不動産法制度
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jares/32/2/32_44/_pdf/-char/ja
【住宅】コロナで定着したテレワーク、国と自治体の住宅改修補助制度(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6105/
【街づくり】コロナを契機に始まる、東京一極集中の是正と地方分散(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5839/
【人口減】都会から地方へ!若者の移住を促す国と地方の支援策(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5293/