<概要>
●コロナ第6波に備えて、政府は医療提供体制など4本柱で対策を強化
●4本柱の一つとして、経口薬の年内の実用化をめざす
●すでに抗体カクテル療法が治療薬・予防薬として承認されている
●抗体カクテル療法の提供や広報など自治体の取り組み
●イベルメクチンなど別薬品の可能性や、副反応事例の収集
<チェックポイント>
●コロナ第6波への対策
●抗体カクテル療法の導入状況と広報
●治療薬の供給に伴う変化
<掲載事例>
●東京都、神奈川県
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コロナ第6波に備える対策の全体像
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●政府が4本柱からなるコロナ対策の全体像を決定
·新型コロナウイルスの「第6波」に備え、政府の対策本部は2021年11月12日、新型コロナ対策の全体像を決定。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202111/12corona.html
· 全体像は、医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、治療薬の確保、日常生活の回復の4本柱で構成。
・「第5波」のピーク時に比べて、感染力が2倍になっても対応できる体制を築くことが目的。
https://www.asahi.com/articles/ASPCD3C24PCDULFA001.html
●4本柱の一つとして、経口薬の実用化をめざす
・コロナ対策の全体像の4本柱の一つに「治療薬の確保」があげられる。
・1薬剤当たり最大約20億円を支援し、経口薬について年内の実用化を目指し、必要な量を順次納入できるよう企業と交渉を進める。
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_r_031112_1.pdf
(2ページ相当)
・国内メーカー塩野義製薬は、飲み薬(経口治療薬)の海外治験を開始し、年内での承認をめざす。
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20211101-OYT1T50253/
・ファイザーは新型コロナウイルス感染症の経口薬「パクスロビド」について、米食品医薬品局に緊急使用許可を申請。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-11-16/R2ON7XDWX2PT01
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すでに承認されている「抗体カクテル療法」
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●7月に抗体カクテル療法が治療薬として承認
・2種類の抗体を同時に点滴で投与する抗体カクテル療法は、軽症から中等症で、かつ重症化リスクがある患者を対象に2021年7月に承認。
・発症7日以内の初期の患者に有効とされ、抗体がウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質に結合し、人の細胞に侵入するのを防ぐ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210723-00249415
・7月の段階では流通が不十分として国が供給をコントロールしており、その後の動きや自治体内での使用状況検証が必要。
https://www.mhlw.go.jp/content/000808472.pdf
・「全体像」の詳細版では、薬事承認され投与実績のある中和抗体薬については、2022年初頭までに約50万回分を確保と記載。
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_r_031112_2.pdf
(8ページ)
●11月には発症予防薬としても「抗体カクテル薬」を承認
・厚生労働省は11月5日、抗体カクテル薬「ロナプリーブ」を発症予防薬として承認。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211105/k10013335121000.html
・メーカーである中外製薬も「COVID-19の発症を抑制する初の抗体製剤」とアピール。
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20211105160000_1161.html
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抗体カクテル療法の提供や広報など自治体の取り組み
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●抗体カクテル療法の解説や11カ国語のコールセンターなども紹介(東京都)
・東京都保健局は抗体カクテル療法の内容をHPで解説、11カ国語のコールセンターの存在や副反応の事例も紹介。
・都立・公社病院や民間病院のほか、一部の宿泊療施設、酸素・医療提供ステーションにおいても行っていると説明。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/shien/chuwakotai.html
●神奈川モデルとして中和抗体療法を提供できる体制を構築(神奈川県)
・中和抗体療法(抗体カクテル療法)の対象者に3つのパターンで療法を提供できる体制を構築、神奈川モデルと名付ける。
・拠点病院、協力病院を設け、2021年10月15日時点で34病院が稼働しているとする。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/cocktail-kanagawa.html
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別薬品の可能性や、副反応事例の収集
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●イベルメクチンなどの別薬品の可能性
・抗体カクテル以外の治療薬として、疥癬と腸管糞線虫症用の薬である「イベルメクチン」をあげる医師も存在。
https://mikami-naika-clinic.jp/blog/news/1511/
・兵庫県尼崎市の長尾クリニックでもイベルメクチンを使用し、有効であると主張。
https://news.yahoo.co.jp/articles/50ec3280bee65b5a3699e8c082e09775628273a0
・厚生労働省は4月に「新型コロナウイルス感染症の治療に際しての医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱い」の通知を出している。
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/000145578.pdf
・厚生労働省の2020年8月26日資料にも「治療薬の候補となる薬剤」としてイベルメクチンはあげられていた。
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000663058.pdf
(16、17ページ)
●新しい技術に対して「副反応」事例の収集
・ワクチン接種も含めた新しい技術に対して、厚生労働省や各地の保健所は「副反応」事例を収集。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou.html
・ワクチンの副反応については、厚生労働省の審議会に報告し、専門家による評価を実施して公開。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou-utagai-houkoku.html
・2021年10月7日には、抗体カクテル療法は効果が見られる一方で副反応が重篤との報道も。
https://digital.asahi.com/articles/ASPB65WR3PB6DIFI00K.html
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チェックポイント詳細
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●コロナ第6波への対策
・自治体としての第6波対策はどのように行っているか。
・医療提供体制の強化、ワクチン接種の促進、治療薬の確保、日常生活の回復の4本柱それぞれの政策は。
●抗体カクテル療法の導入状況と広報
・公立病院や自治体区域内の病院で、抗体カクテル療法は導入されているか。
・抗体カクテル療法の効果と副反応事例の収集は。
・自治体のHPなどで抗体カクテル療法について広報しているか。
●治療薬の供給に伴う変化
・公立病院などでコロナ治療薬の導入をどのように考えているか。
・治療薬が供給された場合に、コロナ対策全体をどのように見直すか。
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さらなる調査のためのリンク集
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【コロナ】ワクチン接種後も感染!ブレークスルー感染と3回目のブースター接種(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6469/
【コロナ】ワクチン接種に副反応の不安!情報公開と市民への説明が重要(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6357/