<概要>
●コロナの自宅療養者数は12万人、自宅療養中の死亡も
●政府は重症化リスクが低い患者を自宅療養に
●宿泊療養施設では抗体カクテル療法も使えるように
●自宅療養の患者に食料などを届ける自治体
●医師や保健師など総力戦で自宅療養者を支援
●医療強化型の宿泊療養施設と、退所後ケア
<チェックポイント>
●コロナ療養の現状
●自宅療養に対する支援策
●宿泊療養施設の強化策
<掲載事例>
●宮城県、山梨県、大阪府、千葉県、鹿児島県
●埼玉県鴻巣市、埼玉県加須市、神奈川県海老名市、東京都八王子市、東京都品川区、兵庫県明石市
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自宅療養者数は12万人、自宅療養中の死亡も
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・2021年8月25日、自宅療養中のコロナ感染者が全国で初めて10万人を超え11万8229人となり、1週間で1.5倍に。
・自宅療養者には原則、入院先などを調整中の人が含まれておらず、実際にはさらに多くの人が自宅で療養している可能性がある。
・最も多かったのは東京都の2万5139人で、神奈川県、大阪府、千葉県と続く一方、岩手、秋田、群馬、福井、山梨、奈良、和歌山、鹿児島の8県はゼロだった。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210827-OYT1T50411/
・首都圏の1都3県では8月1~29日に、救急搬送後に死亡なども含め、自宅療養中に少なくとも31人が亡くなった。
・中には、県が状況確認の電話を怠っていたケースや、救急搬送で30ヶ所の病院から受け入れを断られて亡くなったケースも。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/127667
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政府は自宅療養と宿泊療養への対応を強化
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●政府は重症化リスクが低い患者を自宅療養に
・政府は8月2日、肺炎などの症状がある中等症のうち、重症化リスクが低い人は自宅療養とする方針を決定。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/121333
・自宅・宿泊療養の新型コロナ患者に対する往診の診療報酬を大きく拡充。
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202108/03ikenkokan.html
・自宅療養者らに対して電話やオンラインで診療した場合の診療報酬を、2倍超に引き上げると自治体に通知した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA169L00W1A810C2000000/
●宿泊療養施設では抗体カクテル療法も使えるように
・政府は8月13日、コロナ治療に使う抗体カクテル療法を、入院患者だけでなく宿泊療養の患者でも使用できるとする見解を示した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b495b7347b9e1f342207b4ad6aa8254b99a88c5b
・さらに、容体が悪化した場合に緊急で入院治療ができる医療機関などに限り、外来診療でも投与できるようにした。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210827/1000069457.html
・体育館などを臨時の医療施設として整備することも検討するよう自治体に通知。
https://news.yahoo.co.jp/articles/58440459d2dfbb8e007d38bfa119b2e481b5888e
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自宅療養を支援する自治体の取り組み
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●自宅療養の患者に食料などを届ける
・埼玉県鴻巣市と加須市は、自宅療養の市民に食料品や衛生用品を届けるサービスを開始。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/127375
・宮城県は、入院先の調整を待つ全ての陽性患者に対して、申し込みなしで3日分の食糧を宅配している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/59ea4de575f2f901ea613853dc3e10434e6d8a4e
・神奈川県海老名市では、30人の職員が「自宅療養者支援チーム」として、買い物やゴミ出しを手伝っている。
・チームは保健師や救急隊とも連携し、病状が急変すれば救急搬送も行える。
https://www.news24.jp/articles/2021/08/23/07928067.html
●医師や保健師など総力戦で自宅療養者を支援
・東京都八王子市は自宅療養の支援拠点を立ち上げ、重症化リスクがある自宅療養者と空き病床の情報を一元管理して入院調整。
・入院できなくても受診だけはできるよう、市内に40カ所の診療所やクリニックと連携し、患者を振り分ける「受診調整」を行っている。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210825/1000069382.html
・東京都品川区では、医師が空き時間に自宅療養者を順番にオンライン診療し、薬局が薬を自宅まで届けている。
https://www.news24.jp/articles/2021/08/23/07928067.html
・兵庫県明石市では、医師でもある保健所長が、自宅療養者に医療機器の貸し出しやステロイド剤の投与も行っていた。
https://www.kobe-np.co.jp/news/akashi/202105/0014321219.shtml
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宿泊療養を強化する自治体の取り組み
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●医療強化型の宿泊療養施設と、退所後ケア(山梨県)
・山梨県は、医師を常駐させた医療強化型の宿泊療養施設で、点滴や酸素吸入、処方薬の投与などを行っている。
・症状が悪化しないと医師が判断した場合は、自宅療養に切り替えることで施設の受入能力を増やす。
・退所後も看護師による健康観察や、24時間体制のオンコール相談などが受けられて、パルスオキシメーターや食料が「退所後ケア班」から支給される。
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/210830/ecb2108300602001-n1.htm
●宿泊療養施設における、その他の取り組み
・大阪府では、2つの薬を同時に点滴する「抗体カクテル療法」を、宿泊療養のホテルで受けられるように。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210826/2000050521.html
・千葉県は、入院調整の間に宿泊療養施設で酸素投与を行えるよう、酸素濃縮器を50台まで増強。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210828/k10013228051000.html
・鹿児島県も、宿泊療養施設と医療機関の間にある中間治療施設を確保し、酸素投与や抗体カクテル療法を行う。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5791cbe98d7b2737e7d509f613d6b32cfa1badbc
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チェックポイント詳細
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●コロナ療養の現状
・コロナ病床の利用率はどのように推移しているか。
・宿泊療養施設の利用率はどうか。
・自宅療養の患者数はどうか。
・コロナ病床と宿泊療養施設の今後の確保策は。
●自宅療養に対する支援策
・自宅療養に対して食料品や衛生用品を支給しているか。
・自宅療養の患者がオンラインや電話で医師の診療を受けられる仕組みはあるか。
●宿泊療養施設の強化策
・宿泊療養施設に医師を常駐させてはどうか。
・宿泊療養施設で酸素投与や抗体カクテル療法を行ってはどうか。
・宿泊療養の退所後をケアすることで、宿泊療養施設の受入能力を増やせないか。
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さらなる調査のためのリンク集
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【コロナ】自宅での死亡例が急増!自宅療養や宿泊療養への支援策(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6272/
【コロナ】病床や後方支援病院を確保する国と自治体の取り組み(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6268/