【法改正】今国会で成立した法律(2)環境、消費者、医療、労務(国政情報)

<概要>

●地域の再エネを活用した「地域脱炭素化促進事業」

●容リ法ルー トを活用したプラスチック資源の再商品化

●送り付け商法や預託商法など消費者被害への対応

●医師の労働時間短縮や感染症対応など

●障害を理由とする差別に関する人材育成と情報提供

●役職定年制と定年前再任用短時間勤務制の導入

<チェックポイント>

●脱炭素社会に向けた取り組み

●新たな消費者被害の実態

●医療と健康保険の立て直し

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地域の脱炭素化とプラスチックの資源循環
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・今国会の後半〜終盤で成立した法律の中から、地方自治体に影響がある部分を抜粋。

・前回の記事はこちら「今国会で成立した法律(1)教育、防災、デジタル化、規制緩和」

https://policy-making.com/db/6283/

●地球温暖化対策推進法

・「2050年までの脱炭素社会の実現」を、地球温暖化対策を推進する上での基本理念とし、自治体の取り組みを促進。

・地方公共団体が定める地球温暖化対策の実行計画に、「施策の実施に関する目標」を追加。

・市町村は、地域の再エネを活用した「地域脱炭素化促進事業」の促進区域や環境配慮、地域貢献の方針等を定めるよう努める。

・市町村が実行計画に適合していると認定し、脱炭素化促進事業計画に記載した事業は、関係法令の手続ワンストップ化等の特例。

https://www.env.go.jp/press/files/jp/115718.pdf

●プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律

・製品設計から販売・提供〜排出・回収・リサイクルまで、プラスチック資源の循環を促進。

・プラスチック資源の分別収集を促進するため、容リ法ルー トを活用した再商品化が可能に。

・市区町村と再商品化事業者が連携して行う再商品化計画が大臣に認定された場合、
市区町村による選別、梱包等を省略して再商品化事業者が実施することが可能に。

https://www.env.go.jp/press/files/jp/115768.pdf

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新たな消費者被害への対応
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●特定商取引法、預託法

・定期購入でないと誤認させる通販の表示に罰則、申し込みの取り消しを認める。

・注文していない商品を一方的に送り付けた事業者は、返還請求ができない。

・ジャパンライフや和牛商法で問題となった、高額商品を購入して業者に預け、配当金を受け取る「預託商法」は禁止。

https://www.caa.go.jp/law/bills/assets/consumer_transaction_cms202_210303_01.pdf

●取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律

・オンラインモールなどの「取引デジタルプラットフォーム」では、危険商品等の流通や販売業者が特定できず紛争解決が困難。

・内閣総理大臣は、危険商品等が出品され、販売業者が特定不能な場合、プラットフォーム提供者に出品削除等を要請。

・国・プラットフォーム提供者・消費者団体で官民協議会を組織し、悪質な販売業者への対応などを協議。

・消費者が消費者庁に被害の恐れを申し出て適当な措置を求める、申出制度を創設。

https://www.caa.go.jp/law/bills/assets/consumer_system_cms101_210305_01.pdf

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医師の労働時間短縮や感染症対応など
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●医療法、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律

・勤務する医師が長時間労働となる医療機関における医師労働時間短縮計画の作成。

・地域医療の確保や集中的な研修実施のため、やむを得ず時間外労働に高い上限時間を適用する医療機関を都道府県知事が指定。

・都道府県が定める医療計画の記載事項に、新興感染症等への対応に関する事項を追加。

https://www.mhlw.go.jp/content/000731828.pdf

●国民健康保険法

・国民健康保険の財政安定化基金を、都道府県が国民健康保険事業費納付金の著しい上昇抑制等のために充てることを可能に。

・都道府県国民健康保険運営方針について、保険料の水準の平準化や財政の均衡に関して記載事項に位置付け。

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000739687.pdf
(1、8ページ)

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障害者差別の解消、公務員の定年延長
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●障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律

・国及び地方公共団体は、障害を理由とする差別の解消に必要な施策が促進されるよう連携協力しなければならない。

・国及び地方公共団体が障害を理由とする差別に関する相談に対応する人材を育成・確保する責務を明確化。

・地方公共団体は、障害を理由とする差別及びその解消のための取組に関する情報の収集、整理及び提供に努める。

https://www.cao.go.jp/houan/pdf/204/204gaiyou_7.pdf

●地方公務員法

・2022年度からの国家公務員の定年引上げに伴い、地方公務員の定年も60歳から65歳まで2年に1歳ずつ段階的に引き上げ。

・役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)を導入し、対象範囲及び役職定年年齢は条例で定める。

・60歳から定年前に退職した職員について、本人の希望により短時間勤務の職に採用できる制度を導入。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000675581.pdf

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チェックポイント詳細
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●脱炭素社会に向けた取り組み

・地球温暖化対策の実行計画にどのような目標が設定されているか。

・再エネの活用が進んでいる区域はあるか。

・プラスチックの収集とリサイクルはどのように行われているか。

●新たな消費者被害の実態

・詐欺的な定期購入、送り付け商法、預託商法の被害を把握しているか。

・取引デジタルプラットフォームにおける消費者被害は把握しているか。

●医療と健康保険の立て直し

・自治体内の病院における医師の労働時間はどうか。

・国民健康保険の財政安定化基金はどのように使われているか。

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さらなる調査のためのリンク集
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【法改正】今国会で成立した法律(1)教育、防災、デジタル化、規制緩和(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/6283/

国家公務員法の改正(内閣官房)
https://www.cas.go.jp/jp/houan/210413/siryou1.pdf

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