【コロナ】ついに医療崩壊!?病床や医師・看護師の確保に奔走する自治体(社会・技術動向)

<概要>

●各地でコロナ用の病床が不足、大阪では医療非常事態宣言

●新しい病床を用意しても医療スタッフが足りず、他の医療が後回しに

●国は追加経済対策で緊急包括支援交付金を増額し、病床確保を支援

●全国知事会は北海道や大阪に看護師を派遣

●コロナ専用病院やクラウドファンディングなど、病床やスタッフ確保の取り組み

<チェックポイント>

●病床数と病床使用率の推移

●医療スタッフの勤務状況

●今後の病床確保計画

<掲載事例>

●大阪府、東京都

●愛知県名古屋市

●茨城県守谷市の守谷慶友病院

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各地で病床が不足、大阪では医療非常事態宣言
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・大阪府は2020年12月3日、重症患者が急増し、府内の医療体制がひっ迫しているとして、「医療非常事態宣言」を出した。

・大阪府民全員に対して、12月15日までの2週間弱、不要不急の外出を控えるよう要請。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201203/k10012744911000.html

・札幌圏や旭川市でも医療機関でクラスターが相次ぎ深刻な状況が続いており、11月末時点で確保されている病床の7割以上が利用されている。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20201202/7000027568.html

・沖縄県ではコロナ患者を受け入れる医療機関において、非コロナ病床の使用率は平均90%を超えて一部で定員超過も。

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/672196

・神戸市では11月に運用開始したコロナ重症者専用病棟が、想定を超える感染ペースで満床に近付いている。

https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/202012/0013909982.shtml

・県全体では病床使用率が低くても、二次医療圏単位では逼迫している地域がある。

https://www.chibanippo.co.jp/news/national/744445

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施設や病床を増やしても医師や看護師がいない
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・大阪では4月にコロナ専門病院に指定した市民病院で、半年間に医師4人・看護師14人を含む25人の病院職員が退職。

https://www.asahi.com/articles/ASND233XJND1PPTB004.html

・市民病院で不足するコロナ対応の看護師を補うため、若年がん専用病棟が閉鎖されることに。

https://www.asahi.com/articles/ASNCZ7K5GNCZPTIL01K.html

・11月末に完成した重症患者専用の「大阪コロナ重症センター」も、必要な看護師130人のうち80人の確保のめどが立っていない。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20201201/GE00036007.shtml

・東京都のコロナ専用病院も10月開設予定が12月に遅れ、運用できる病床数や医療スタッフの配置が決まらない。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/70312

・神奈川県はコロナ患者を受け入れている医療機関に対し、緊急性が低い手術を延期して、集中治療室の数を確保して欲しいと要請。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20201202/1000056998.html

・日本医師会長は「新型コロナウイルスと、それ以外の疾病への医療提供の両立が不可能になる」と危機感を示す。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201202/k10012742761000.html

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病床確保に向けた国の取り組み
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●追加経済対策における病床確保策

・政府は12月の追加経済対策3本柱の1つに「感染拡大防止」を掲げる。

・緊急包括支援交付金を増額し、病床や宿泊療養施設の確保など医療体制を強化。

・患者が減っている小児科に診療報酬上の措置を行い、PCR検査やワクチン接種の体制も整備。

https://www.news24.jp/nnn/news91ug6wey2nm2daxzxc.html

●「感染拡大時の医療」を医療計画に追加

・都道府県ごとに必要な医療提供体制を確保するための医療計画に、「新興感染症等の感染拡大時における医療」を追記する方針。

・医療圏ごとの基準病床数、医師や看護師などの医療従事者の確保に向けた取り組みを、都道府県で定めることになる。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202011/567970.html

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医療スタッフを派遣する国や自治体の動き
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・大阪府は全国知事会に看護師の派遣を要請し、さっそく和歌山県が応じる意向。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20201202/GE00036034.shtml

・知事会では北海道にも、13県から計20名の看護師を派遣。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66810240Q0A131C2000000

・北海道旭川市でクラスターが発生した病院は、市に自衛隊の派遣を要請。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66911390S0A201C2L41000

・国も感染拡大地域に派遣する保健師ら専門職を1200人確保したと表明。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66693410W0A121C2MM8000

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病床や医療スタッフを確保する取り組み
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●コロナ専用病院で要介護者や外国人にも対応(東京都)

・開院が遅れていた東京都のコロナ専用病院は、12月16日から運用開始予定。

・中等症以下の入院患者を受け入れる予定で、当面は32床の運営から始め、最終的には100床に増やす。

・介護が必要な人や、日本語が話せない外国人など、他の病院での対応が難しい患者を積極的に受け入れ、入院先の調整にかかる負担を軽減。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4141370.htm?1607045425107

●今年度中にコロナ専用病床を新設(愛知県名古屋市)

・名古屋市は市立東部医療センターに、約20床のコロナ専用病床を本年度中に新設する。

・昨年廃止したセンター旧東病棟の設備を改修し、本年度中に医師らの受け入れ態勢も整えていく。

https://www.chunichi.co.jp/article/161455

●クラウドファンディングで職員のボーナスを募る(茨城県守谷市の守谷慶友病院)

・4月から軽症と中等症のコロナ感染患者の入院を受け入れているが、一般の入院患者が減って1億8000万円余りの損失が出た。

・国や県の補助金でも損失を補いきれず、職員の冬のボーナスを引き下げる予定。

・11月26日からクラウドファンディングを始め、寄付金をおよそ500人の職員に臨時手当として支給する。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20201126/1000056698.html

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チェックポイント詳細
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●病床数と病床使用率の推移

・都道府県におけるコロナ病床の数と、使用率はどのように推移しているか。

・重症者用の病床数と使用率はどのように推移しているか。

・二次医療圏や市町村単位ではどうか。

・コロナ以外の病床数と使用率はどうか。

●医療スタッフの勤務状況

・感染者受け入れ病院における医療スタッフの勤務状況や退職数はどうか。

・医療スタッフのボーナスの支給状況はどうか。

・医療スタッフの退職を防ぐために慰労金などの取り組みはあるか。

●今後の病床確保計画

・病床確保の計画は、現在の感染拡大状況と比べてどうか。

・感染拡大のペースから医療崩壊を早めに予防する仕組みが必要ではないか。

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さらなる調査のためのリンク集
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都道府県ごとの病床使用率(Yahoo!ジャパン)
https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200813

【コロナ】いよいよ第3波か!?過去最多の感染者に医療・検査体制の強化を(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5960/

【医療】迫る医療崩壊!オンライン診療と病床確保の取り組み(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5608/

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