<概要>
●コロナ感染者数が過去最多で病床使用率が上昇し、医療提供体制に懸念
●専門部会は飲み会など5つの場面で注意を喚起、GoToキャンペーン停止も
●予約センターからコロナとインフルを両方検査できる診療機関へつなぐ神奈川モデル
●全国初の重症コロナ専用病棟を整備した自治体も
●検査・医療体制が不足した場合に相互支援する広域連携
<チェックポイント>
●感染者数と病床使用率の推移
●医療・検査体制の強化
●医療提供や検査の広域連携
<掲載事例>
●神奈川県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
●兵庫県神戸市
●関西広域連合
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コロナ感染者数が過去最多、医療体制に懸念
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●コロナの新規感染者数が過去最多を更新
・2020年11月12日、新型コロナの感染者が1661人確認され、一日あたりで過去最多を更新。
・北海道(236人)と神奈川(147人)、兵庫(81人)、茨城(26人)各県で最多を更新した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020111200756&g=soc
・PCR検査が1日8万件できるようになったことも背景にあり、死亡率(発表感染者数に占める死者数の割合)は1%まで低下。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20201112-OYT1T50211/
●病床使用率が上昇し、医療提供体制に懸念
・感染者の増加ペースは今夏のピーク時に近づき、北海道や大阪などでは病床の使用率が上昇し、医療提供体制の逼迫が再び懸念される。
・沖縄や東京、大阪など7都府県は、医療提供体制に大きな支障が出ることが懸念される「ステージ3」(病床使用率20%以上)となった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66159290S0A111C2EA2000/
・東京都では感染者の47%が40代以上で、第2波までと比べて中高年の割合が増え、全世代に警戒が必要。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201112/k10012708201000.html
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政府はGoToキャンペーンで難しい舵取り
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●専門部会が政府に飲食のリスクを提言
・政府のコロナ対策分科会は、10月23日にクラスターや感染のリスクを下げる方策を提言。
・飲み会・大人数での飲食・マスクなしでの会話・狭い空間での共同生活・喫煙室など休憩所の5つの場面で注意を喚起。
・感染リスクを下げながら会食を楽しむ方法も具体的に示した。
https://www.mhlw.go.jp/content/000687179.pdf
●今後も感染拡大ならGoToキャンペーン停止
・分科会は11月12日にも会合を開き、大規模イベントの人数制限について来年2月末までをめどに継続することを決定。
・会長は「ステージ3に当たると判断すればGoToキャンペーンは当然停止」と、経済社会活動全般を制限するよう政府に求める意向を表明。
・一方、飲食を伴う映画館での鑑賞などでは、会話時のマスク着用といった感染防止策の厳守を条件に満席を認めることとした。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020111200527
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医療体制を強化する自治体の取り組み
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●インフルエンザ流行期の発熱患者対応を強化(神奈川県)
・コロナとインフルエンザの両方を検査できる、6種類の診療パターンを例示。
・各パターンで発熱患者を診療してくれる、発熱診療医療機関を募集し、医師会と共同で医療機関確保と診療フローを確立。
・全県を対象に電話やLINEアプリで受け付ける「診療予約センター」を設立し、医療機関や保健所の問い合わせ負担を軽減。
https://www.mhlw.go.jp/content/000692972.pdf
●全国初の重症コロナ専用病棟を運用開始(兵庫県神戸市)
・中央市民病院の駐車場に、全ての病床でコロナ重症患者の受け入れ可能な「臨時専用病棟」を整備。
・36の病床全てに人工呼吸器が備えられているほか、空気が外に漏れないよう室内の気圧を調整できる。
・4月に大規模な院内感染が発生した反省から、コロナ患者を担当する看護師を分けるゾーニングを徹底し、今回は病棟も分離した。
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20201109/GE00035648.shtml
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医療提供に関する広域連携の事例
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●医薬品・人材・検査体制・患者受け入れ体制の不足を支援(関西広域連合)
・2020年3月に関西広域連合において、「広域的な医療連携に関する申し合わせ事項」を合意。
・医薬品や医療資器材、医療専門人材、検査体制、患者受け入れ体制で不足が生じた自治体を連携して支援する。
・対策本部会議で構成府県市の医療・検査体制の状況を共有し、広域的な連携に即応できる体制を維持。
https://www.mhlw.go.jp/content/000692981.pdf
●医療体制の支援協定を5県で締結(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)
・もともと健康危機が発生した際の協定を締結していたが、2020年4月にコロナに特化した協定を締結。
・支援内容は医療従事者等人員の派遣、重症患者等の受入、搬送体制の調整、施設・設備及び機器の使用又は貸与、医薬品など消耗資材の提供。
・健康危機が発生した県から任意の県に支援要請を行い、費用は発生県が負担する。
https://www.mhlw.go.jp/content/000692976.pdf
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チェックポイント詳細
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●感染者数と病床使用率の推移
・自治体及び都道府県の感染者数や増加スピードは第2波と比べてどうか。
・病床使用率の推移はどうか。
●医療・検査体制の強化
・発熱患者に対してインフルエンザとコロナの両方を検査・診療できる体制はあるか。
・医療機関や保健所の問い合わせ負担を軽減する、診療予約センターを作れないか。
・コロナ重症患者と一般患者の区分は徹底できているか。
●医療提供や検査の広域連携
・医薬品や資機材、医療人材や検査体制、患者受け入れ体制の不足にどう対応するか。
・上記が不足した際に相互支援する自治体間連携が必要ではないか。
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さらなる調査のためのリンク集
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クラスターの分析に関する ヒアリング調査等の 結果と今後に向けた検討(コロナ対策分科会)
https://www.mhlw.go.jp/content/000687178.pdf
【コロナ】検査の相談先が保健所から診療所へ!コロナとインフルの同時流行に備える
https://policy-making.com/db/5922/
【医療】コロナ第2波に備える!病床確保など医療・検査体制の維持強化
https://policy-making.com/db/5723/