【手続き】死亡と相続のワンストップ窓口サービス「おくやみコーナー」(政策アイディア)

<概要>

●自治体では一つの窓口で手続きが可能なワンストップサービスを推進

●死亡・相続に関する窓口を一元化する「おくやみコーナー」

●国も無料ソフトやガイドラインでおくやみコーナー設置を支援

●サービスレベルは様々だが、利用者遺族の評価も高い

●生前情報デジタル化など民間も含めたワンストップサービスへ

●おくやみハンドブックなど自治体の取り組み事例

<チェックポイント>

●死亡と相続に関する手続き

●庁内の情報共有と連携

●おくやみコーナー設置

<掲載事例>

●三重県松坂市、大分県別府市

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利用者目線で遺族に寄り添う、死亡・相続手続き
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●一つの窓口で手続きが可能なワンストップサービス

・各自治体は、一つの窓口で複数の担当窓口の手続きができるワンストップサービス化を進める。

・特に婚姻、出生、死亡、転入、転出等ライフイベントに即したサービス提供が求められる。

・例えば、引っ越しの際は7つの機関に13の書類を提出しなければならず、提出側と受付側で年間1000億円のコストが発生。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/dl/s1028-1h_0008.pdf

●死亡・相続に関する窓口を一元化する「おくやみコーナー」

・ライフイベントのうち、もっとも切実な「死亡・相続」に即して一括手続きをめざす窓口が「おくやみコーナー」。

・国も「おくやみコーナー設置自治体支援ナビ」で推奨。

https://cio.go.jp/sibousouzoku_siennabi_2020

・支援ナビは市町村職員が無償(オープンソースライセンス)で利用することが可能。

・経験が必要な業務を先行自治体を業務分析したデジタル化により補佐する。

https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/okuyami_guideline_001.pdf

・国が作成したガイドライン「おくやみコーナー設置ガイドライン」では「利用者視点」が強調される。

・大切な人を亡くした遺族の「死亡・相続」に係る手続を時系列に可視化した「カスタマージャーニー」のサンプルを提示。

https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/okuyami_guideline.pdf
(3〜6ページ)

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民間も含めた死亡・相続ワンストップサービスへ
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●利用者遺族の評価も高い「おくやみコーナー」

・先行的におくやみコーナーを導入した自治体では、利用者の満足度は90%以上に上り、遺族の評価も高い。

・遺族が関係のない担当課を回る時間の短縮、手続きそのものに要する時間短縮が効果としてあげられる。

・おくやみコーナーを専用窓口として設置する場合、設置場所・主担当・サービス提供時期などが論点となる。

・サービス内容は案内だけの<レベル1>から実際の処理<レベル5>までと様々なレベルがあり、予約の有無もポイント。

https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/okuyami_guideline.pdf
(14、15、19、22、23ページ)

●生前情報デジタル化など民間も含めたワンストップサービスへ

・国は、資格証等返還といった11の行政手続きで届出省略を可能にすることをめざす。

・故人の生前情報デジタル化による民間手続きの負担軽減を打ち出す。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/dejigaba/dai11/siryou8.pdf
(2〜4ページ)

・2018年の方策のとりまとめ議論では
(1)行政手続きの見直し
(2)故人の生前情報を電子的に継承
(3)信頼できる第三者による相続人であることを電子的に認証
(4)自治体が遺族を支援(おくやみコーナー設置など) をあげた。

・民間関連では、法定相続人特定に要する戸籍謄抄本の量が膨大であることが指摘されている。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai83/sankou1.pdf
(8〜10ページ)

・相続人の認証については、民間との協議はまだ十分ではなく、国の示すロードマップでは2021年度以後に実現をめざす。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/dejigaba/dai11/siryou8.pdf
(2、5、16ページ)

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ハンドブックや一覧HPなど自治体の取り組み
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●予約なしでも対応、おくやみハンドブックで手続きを説明(三重県松阪市)

・松坂市では、手続きのための来庁回数の軽減するため、「死亡」にともなう一括手続きを2017年11月から先行実施。

https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/okuyami_guideline.pdf
(20ページ)

・持ち物や手続き内容などを記載した「おくやみハンドブック」を市で作成し、HPで公開。

https://www.city.matsusaka.mie.jp/soshiki/15/okuyami1.html
(2.各種手続きについて)

・エクセルベースの庁内連携シートにより入力の手間をはぶき、簡易な手続きをめざす。

https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/okuyami_guideline_004.zip
(実際のエクセルシート)

●「お客様シート」に情報を記載し、手続きを省略化(大分県別府市)

・別府市では、遺族の負担を減らす「たらい回しゼロ作戦」として、死亡後の手続き専門の窓口を設置。

・「お客様シート」記入により手続きを省力化するなど、利用者視点の運用につとめる。

https://www.tama-100.or.jp/cmsfiles/contents/0000000/858/okuyamiRPA.pdf
(13、14ページ)

・必要手続きと担当部署を一覧表にしてHPに掲載、それぞれの手続き内容にリンクも貼って担当に飛ぶように工夫する。

https://www.city.beppu.oita.jp/seikatu/todokede_syoumei/koseki_jyuuminhyounado/shibou_kanren.html

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チェックポイント詳細
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●死亡と相続に関する手続き

・死亡と相続に関する手続きを担当者とともに一覧化しているか。

・手続き一覧をハンドブックやHPで住民に提供しているか。

・死亡と相続に関しての行動予測(カスタマージャーニー)は実施しているか。

●庁内の情報共有と連携

・一つの窓口で記入してもらった情報を、庁内でどう共有しているか。

・全ての手続きに必要な情報を1枚のシートの記入できる仕組みにしてはどうか。

●おくやみコーナー設置

・おくやみコーナーを設置してはどうか。

・場所、サービス提供内容はどのように考えているか。

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さらなる調査のためのリンク集
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【行革】庁舎や窓口は必要か?進む在宅勤務やオンライン手続き(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5666/

【窓口業務】役所の手続きを原則オンライン化するデジタル手続法(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5245/

おくやみコーナー設置ガイドライン(内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室)
https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/okuyami_guideline.pdf

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