【コロナ】緊急事態宣言が解除!早急な飲食・宿泊・観光業の支援を(事例研究)

<概要>

●政府は39県の緊急事態宣言を解除

●要請緩和や要請続行など、都道府県の対応は様々

●飲食・宿泊・観光業はすでに苦境に陥っており、早急な支援が必要

●速やかな追加補正で事業者を支援する自治体

●店舗で使えるクーポンチケットを発行する事例

●タクシーやテイクアウト容器などユニークな取り組みも

<チェックポイント>

●緊急事態宣言が解除された後の要請内容

●飲食・宿泊・観光業への支援

<掲載事例>

●福岡県、大阪府、北海道、群馬県、愛媛県、山形県

●京都府京都市、兵庫県神戸市

●青森県弘前市、宮崎県日向市、茨城県大洗町、群馬県高崎市、山口県下関市

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政府は39県の緊急事態宣言を解除
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・政府は東京・千葉・埼玉・神奈川・大阪・京都・兵庫・北海道を除く39県について、緊急事態宣言を5月14日付で解除。

・宣言を解除する基準は感染数・医療提供体制・監視体制で、「1週間で10万人あたりの累積感染者が0.5人以下」が目安。

・残る8都道府県も、5月21日に判断して可能であれば月末を待たずに解除。

・劇場や映画館、ホテルなど、80以上の業界ごとに感染予防のガイドラインを策定。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59113650U0A510C2MM8000/

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要請緩和や要請続行など、都道府県の対応は様々
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●福岡県は再び休業要請する際の独自基準を作成

・政府から指定解除されない場合でも要請を緩和する方向だった。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/607180/

・一方で、新規感染者数や病床稼働率など四つの指標で、民間施設への休業要請を再び検討する独自基準を作成。

・これらの指標を医療機関と共有し、病床確保など受け入れ態勢の整備を要請する。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/608243/

●大阪府は独自基準を7日連続で達成し、休業要請を解除

・事前に決めた独自基準を7日連続で達成したため、16日から休業要請を段階的に解除。

・解除される対象業種ごとにまとめた感染防止マニュアルも公表。

https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20200514k0000m040155000c.html

●北海道は札幌周辺以外の休業要請を解除へ

・道内の感染者の9割以上が石狩地方に集中し、依然として厳しい医療体制が続いている。

・石狩地方以外の地域では、床面積が1000平方メートル以下の商業施設や学習塾、博物館などの休業要請は解除する考え。

・バーなどを含まない酒を提供する飲食店に対して午後7時以降、酒を提供しないよう求めていた協力要請も解除する。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200514/k10012429171000.html

●群馬県は緊急事態宣言を解除しないことを要望

・知事は「東京での感染が終息しない中での解除は、県内での感染リスクを高める」と解除から除外するよう政府に直訴。

https://www.fnn.jp/articles/-/41848

・政府が宣言解除を決めた後も、独自のガイドラインで外出自粛や休業要請を行う考え。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200514-00010001-gtv-l10

●愛媛県は緊急事態宣言解除でも警戒レベル引き下げない方針

・知事は県が先に定めた警戒レベルは引き下げず、今月末までは県をまたぐ移動の自粛などを求めていく方針。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200513/k10012429001000.html

・宣言解除の当日に、県内の病院で20人の集団感染が判明し、愛媛県は条件付きの宣言解除となった。

https://www.fnn.jp/articles/-/42196

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すでに苦境に陥っている飲食・宿泊・観光業
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・東京では緊急事態宣言が継続され、引き続き夜8時までの営業を要請しているが、8時以降も開ける店が増えてきた。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200514/k10012429251000.html

・政府は4月末の補正予算に旅行キャンペーンやキャッシュレス決済の導入支援などを盛り込んでいる。

https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2020/hosei/pdf/hosei_yosan_pr.pdf

・一方で、キャッシュレスの売上はすぐに入金されないため、一時的に現金不足に陥る店舗が問題に。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2005/14/news042.html

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速やかな追加補正で事業者を支援する自治体
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●「市民による京都の魅力再発見」に2億円の追加補正(京都府京都市)

・京都市は5月12日に追加補正予算を発表し、19日の市議会に提出予定。

・外出自粛が緩和される段階を捉えて、市民に飲食店や宿泊施設を利用してもらい、魅力の再発見と市内消費の拡大につなげる。

・市内飲食店や宿泊施設による市民向け特別プランを提供。

https://www.city.kyoto.lg.jp/gyozai/cmsfiles/contents/0000259/259833/0205125gatuhoseinagachou.pdf

●自己所有物件の事業者や交通事業者に追加経済対策(青森県弘前市)

・自己所有物件で家賃はかからないが打撃を受けている小売り・飲食・サービスの小規模事業者に、
固定資産税相当分の一部を補助するため6000万円を計上。

・飲食業や、タクシー業や自動車運転代行業、宿泊業、中止となった弘前さくらまつりの出店予定者に対する支援に2億円。

・弘南バスと弘南鉄道に対しては、地域住民の交通手段を確保する観点から約1億2500万円の補助を想定。

http://www.mutusinpou.co.jp/news/2020/05/59881.html

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店舗で使えるクーポンチケットを発行する事例
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●2倍の買い物ができる県民向け観光クーポン(山形県)

・県在住者が県内の観光施設や旅館・ホテルで利用できる割引クーポンを発行し、まずは県内完結で観光を活性化。

・「お出かけキャンペーン」は道の駅などの観光立ち寄り施設で2千円の買い物ができるクーポンを千円で発行。

・「泊まってキャンペーン」は温泉街を中心とした県内の旅館・ホテルで利用できる5千円の宿泊割引クーポンを発行。

https://www.yamagata-np.jp/news/202005/13/kj_2020051300281.php

●プレミアム率40%の飲食店クーポンを発行(宮崎県日向市)

・新型コロナウイルス感染症による景気対策として市内の飲食店で使える「みんなで応援!飲食クーポン」を発行。

・1冊5,000円で500円券が14枚つづりになっており、7,000円分の飲食代に使えてプレミアム率は40%になる。

・レストラン、食堂、居酒屋、スナック、飲食を伴うホテルや民宿など市内の125店で使える。

https://hyuga.keizai.biz/headline/874/

・宮崎県もプレミアム率30%の商品券を発行する方向で調整中。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200514-00010001-mrt-l45

●飲食店支援のクラウドファンディング費用を自治体が補助(茨城県大洗町)

・観光協会が町内店舗の売上支援を行うクラウドファンディング企画「大洗おかえりミッション!」を実施。

・わずか8日で目標の2千万円を達成し、新たな店舗を加えて3500万円を目指す。

・支援金額から10%上乗せした額の「指定した店舗で使えるチケット」が送られ、コロナ収束後に使用する事が出来る。

・クラウドファンディングの決済手数料と、店舗への10%上乗せ費用の一部が、大洗町から補助される。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000045388.html

●飲食店応援チケットを発行、閉店の場合は商工会議所が払い戻し(群馬県高崎市)

・馴染みの店に行けない常連客が購入し、自粛解除後にお得に使えるチケットを発行。

・台紙は高崎市が印刷して参加店に無償で提供し、発行した店が閉店した場合は高崎商工会議所が払い戻しに応じる。

https://takasaki.keizai.biz/headline/3730/

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タクシーやテイクアウト容器などユニークな取り組み
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●テイクアウトの宅配事業で飲食店とタクシーを支援(山口県下関市)

・弁当など飲食店のテイクアウトメニューをタクシーが市民に届ける「ごちそう宅シー」事業を開始。

・利用者が希望時間の2時間前までに飲食店に商品を注文し、タクシー業者に商品の受け取りと宅配を依頼する。

・配達距離は原則5キロ圏内とし、利用者は商品を届けたタクシー業者に料金と代行手数料250円を支払う。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200511-00000001-san-l35

●食中毒防止のため飲食店にテイクアウト用容器を提供(兵庫県神戸市)

・飲食店のテイクアウトやデリバリーの安全性を確保するため、「テイクアウトスターターキット」を提供。

・テイクアウト用の容器と衛生管理のノウハウを提供することで食中毒のリスクを軽減。

・食中毒のリスクを軽減することで、経済活動の維持や医療機関、保健所の負担増を減らすことができる全国初の試み。

https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1252262.html

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チェックポイント詳細
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●緊急事態宣言が解除された後の要請内容

・宣言解除後の休業要請や自粛要請はどうなるか。

・宣言解除前であっても休業要請や自粛要請を緩和する部分はあるか。

●飲食・宿泊・観光業への支援

・経済活動の再開に向けた補正予算はあるか。

・飲食店を支援するためのチケット等を発行してはどうか。

・住民向けに自治体内での観光・宿泊を促す取り組みはできないか。

・タクシーやバスなど運行事業者向けの支援策はあるか。

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さらなる調査のためのリンク集
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令和2年度補正予算の概要
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2020/hosei/pdf/hosei_yosan_pr.pdf

【コロナ】自治体が政府を動かす!休業補償や家賃補助の23事例(政策立案メルマガ)
https://policy-making.com/db/5633/

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