山奥の村

【地方創生】第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」のポイント(国政情報)

<概要>
●2015年から始まった第1期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は2020年3月で終了
●2018年改訂版では地方への移住を促進
●2019年12月20日に第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定
●Society5.0に向けた未来技術やSDGsといった横断的な目標が追加された
●住民でも観光客でもない、地域と多様に関わる「関係人口」の概念を提案
●地域金融機関の重要性と、地域経済分析システム「RESAS」の活用も
<チェックポイント>
●第1期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の検証
●第2期「地方版総合戦略」の策定予定
●関係人口を増やす政策
●地域金融機関等との連携策と情報分析
<掲載事例>
●鳥取県日野町、青森県八戸市
▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
━━━━━━━━━━━━━━
第1期「地方創生」が2020年3月に終了
━━━━━━━━━━━━━━
・2014年9月3日の総理大臣記者会見で「地方創生」が発表。
その後、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と第一期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定された。
・これらをもとに、ほぼ全て(97.5%)の自治体で「地方版総合戦略」が策定され、地方創生関連事業が実施されてきた。
・2019年に第1期の終了を迎えるにあたり、2018年12月には「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2018改訂版)」が策定された。
・「第1期の総仕上げと次のステージに向けて」として「わくわく地方生活実現政策パッケージ」の実行を目指す。
(3ページ)
・U・I・Jターンによる起業・就業者の創出をめざすなどの新規政策も打ち出している。
・第1期の振り返りとして、進行管理のキーとなるKPI(重要業績評価指標)の状況を確認する必要がある。
━━━━━━━━━━━━━━
第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」
━━━━━━━━━━━━━━
・2019年12月20日に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン(令和元年改訂版)」と、
第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定された。
・2014年に比べて人口減少のスピードはやや遅くなっているものの、決して危機的な状況が変わったわけではない。
(1ページ)
・「長期ビジョン」を受けた第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、
「活力ある地域社会の実現」と「東京一極集中の是正」が掲げられた。
・4つの基本目標と2つの横断的な目標にわたって、新しい方向性を示している。
(23ページ)
━━━━━━━━━━━━━━
第2期総合戦略に追加された新しい方向性
━━━━━━━━━━━━━━
●横断的な目標に「新しい時代の流れを力にする」を追加
・Society5.0や地方創生SDGsといったトピックに従った横断的な目標が追加された。
・自動化で人手不足を解消し、地理的・時間的制約を克服することが可能になる。
・地域活性化をSDGs の理念に沿って進めることに より、政策全体の全体最適化や課題解決の加速が期待できる。
(24ページ)
●「関係人口」の概念を提案
・特定の地域に継続的に多様な形で関わる「関係人口」の創出・拡大に取り組むことを提案。
(44ページ)
・移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指す概念とする。
・KPI(重要業績評価指数)として2024年には1000自治体という目標も掲げ、多様な関わりを推進する。
(48ページ)
●地域金融機関等との連携の推進と情報分析を提案
・地域金融機関の重要性に触れ、銀行の議決権保有制限(いわゆる5%ルール)を緩和した措置分の有効活用を指摘。
(32、33ページ)
・地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」の活用を提案し、今後も環境整備の方向性を示す。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
自治体の取り組み事例
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●関係人口の先駆け「ふるさと住民票」を全国で初めて制度化(鳥取県日野町)
・町出身者にまちづくりに参画してもらうことを目的として、2016年に「ふるさと住民票」を運用開始。
・ふるさと住民票登録をした方には「広報ひの」などの「ふるさと定期便」を毎月お届けなどの取り組みを行う。
・ふるさと住民票は全国8自治体で実施され、総務省の「関係人口」へつながっていった。
●地域経済分析システム「RESAS」を活用して現状と課題を分析(青森県八戸市)
・「八戸版地域シンクタンク」(八戸工業大学、八戸学院大学、八戸工業高等専門学校、八戸市が関与)において、
RESASを活用して、八戸市及び近隣町村(八戸圏域定住自立圏)の人口の現状と課題について分析を行った。
・上記の他にも多くの活用事例が紹介されている。
▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
チェックポイント詳細
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●第1期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の検証
・KPI(重要業績評価指標)の達成度はどうなっているか。
・国からの交付金を活用した地方創生関連事業の検証は行っているか。
●第2期「地方版総合戦略」の策定予定
・第2期総合戦略の策定スケジュールはどうなっているか。
・自治体の総合計画との関係はどうなっているか。
●関係人口を増やす政策
・関係人口を増やす政策は存在するか。
・関係人口を増やすための戦略や部署を作るべきではないか。
●地域金融機関等との連携策と情報分析
・地域金融機関との定期的な意見交換の場は存在するか。
・地域経済分析システム(RESAS)は活用しているか。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
さらなる調査のためのリンク集
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
「ふるさと住民票」の提案(えひめ地域政策研究センター)
公益社団法人経済同友会「地方創生のさらなる推進のために」を読み解く

おすすめ記事