<概要>
●外国人観光客はパックツアーから個人旅行へ、都市部から地方へシフト
●多言語表示の少なさに困った外国人が多い
●各地で多言語のコールセンターやメニュー・地図など
●スマホで情報収集する外国人観光客が増える中、観光案内所も様々な工夫をしている
●民泊や農泊で宿泊施設の不足を補う地域も
<チェックポイント>
●外国人観光客への多言語対応
●外国人向け観光案内所に工夫
●国の補助金などを使った受け入れ環境整備
●民泊や農泊による宿泊施設不足の解消
<紹介事例>
●東京都、福岡県、京都府
●栃木県足利市、山梨県富士吉田市、和歌山県和歌山市、秋田県仙北市、滋賀県大津市
●長野県小布施町、奈良県明日香村
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地方への個人旅行にシフトする外国人観光客
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・FITはForeign Independent Tour(海外個人旅行)の略。
・パッケージツアーではなく個人旅行で訪日する外国人観光客が、2012年の60.8%から2017年の75.7%へ増加。
特に、中国をはじめとするアジアからの個人旅行が著しく伸びている。
・都市部の外国人宿泊者数は2.4倍に対して、地方は3.2倍に増加しており、旅行先が都市部の有名な観光地から地方に広がっている。
・外国人観光客が旅行中に困ったことは、2014年の第1位が「無線インターネット環境」だったのに対して、
2016年には第1位が「施設スタッフとのコミュニケーション」で、第3位には「多言語表示の少なさ」が急上昇してきた。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko_vision/kankotf_dai16/siryou2.pdf
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多言語対応の取り組み
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・都道府県または広域自治体による多言語コールセンターの設置・外部委託による取組状況。
http://www.mlit.go.jp/common/001242999.pdf#page=4
・東京都は多言語と併せてピクトグラムを使ったメニュー作成支援サイトを提供。
http://www.menu-tokyo.jp/menu/
・福岡県はインバウンドお役立ちツール集で翻訳アプリを紹介。
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/inbound-tool.html
・福島浜通り地域や商店街などインターネットの環境整備が十分でない地域や道の駅にオフライン翻訳機を導入。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000007194.html
・栃木県足利市はインターネットによる多言語地図サービスを提供。
https://tourist-map.mapion.co.jp/b/tm_ashikaga_en_us/
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外国人向け観光案内所の工夫
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・京都府は電子掲示板(デジタルサイネージ)の双方向型でビックデータを活用へ。
https://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20190524000101
・山梨県富士吉田市は軽トラックを移動式の観光案内所に改造し、話題の観光スポットに出向いて情報提供。
https://www.mlit.go.jp/common/001243000.pdf
(6ページ)
・日本政府観光局JNTOは、カテゴリー1〜3にレベルを分けて観光案内所を認定。
・スマホで情報収集するバーチャル時代における、観光案内所の役割とは。
https://www.mlit.go.jp/common/001282374.pdf
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外国人観光客受け入れ環境の整備
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・外国人観光客のストレスフリー移動に関する整備。
https://www.gyoukaku.go.jp/review/aki/H30/img/s9.pdf
・長野県小布施町は東京理科大学と共同で、景観修景や広場の整備を推進。
https://www.town.obuse.nagano.jp/soshiki/11/keikan.html
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko_vision/pdf/h281227_sisaku.pdf#page=7
(6ページ)
・和歌山市は農山漁村交付金活用で観光客の受け入れ施設を整備。
http://www.maff.go.jp/j/kasseika/k_seibi/attach/pdf/seibi-19.pdf#page=15
(13ページ)
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民泊・農泊の取組事例
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・秋田県仙北市は旅行社との連携で農泊を推進。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000026203.html
・奈良県明日香村は、教育旅行で外国人学生を誘致して180軒の民家ステイ。
http://economy.clair.or.jp/casestudy/inbound/4180/
・滋賀県比叡山麓の大津市仰木地区活性化委員会が民泊を開業。
https://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20190121-OYTNT50370/
・多言語によるインターネット予約で農泊利用が5倍に。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190319-00010002-agrinews-ind
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チェックポイント詳細
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・地方への個人旅行が増えているという外国人観光客の変化を捉えて、観光戦略の見直しを行っているか。
・公的施設の多言語対応や翻訳機の導入を進めているか。
・地元企業や店舗の多言語対応に対して、どのような支援を行っているか。
・デジタルや移動式も含めて、外国人向けの観光案内所をどのように展開していくか。
・外国人観光客を受け入れる環境整備のため、国の補助金や支援策、民間企業や大学などの力を借りてできることはないか。
・宿泊施設が無い地域でも、民泊や農泊を整備することで、個人旅行の外国人観光客を呼び込めないか。
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さらなる調査のためのリンク集
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・外部委託による多言語化情報発信サイトの活用
https://mobilesmarttown.jp/guidoorkeisai/
・多言語音声翻訳の社会展開に向けて
http://www.soumu.go.jp/main_content/000584935.pdf
・多言語コールセンター の実態調査について
http://www.mlit.go.jp/common/001242999.pdf
訪日外国人を含む旅行者の受入環境の整備に関する事業
http://www.mlit.go.jp/kankocho/page08_000077.html
・政府が掲げる観光案内所の設置目標
https://www.mlit.go.jp/common/001282374.pdf#page=5
・外国人観光案内所の先進事例調査(観光庁)
https://www.mlit.go.jp/common/001243000.pdf
・飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック(平成30年版)
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/inbound30.html
・外国人にわかりやすい地図作成の取り組み
http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa40072.html
・農泊地域一覧
https://nohaku.net/area/
・農泊推進の実施状況
http://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/attach/pdf/170203-44.pdf#page=10
・日本経済における存在感が高まりつつある「観光」
http://www.mlit.go.jp/common/001260952.pdf
・インバウンド需要の地方圏への波及効果の鍵は何か
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp180312a.pdf